【考察】ルパン三世PART6 #6「帝都は泥棒の夢を見る 後篇」

ルパン三世PART6

サラントヤの正体と、ルパンが迷い込んだ世界が明らかに!

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あらすじ

#5「帝都は泥棒の夢を見る 前篇」の考察を読む。

ルパンは突如、帝都東京にそっくりの世界に放り出され、黄金仮面(怪盗アルセーヌルパン)として、この世界でからくり時計を巡る争奪戦に自ら身を投じていく。

陸軍将校の大道寺は、アジア解放の足掛かりとして、内蒙古に傀儡かいらい政権をでっち上げるため、王家の証であるからくり時計と鍵を所持するサラントヤを狙っていた。

瑠璃子は一向に現れないサラントヤを探すため、からくり時計が展示されているホールに戻る。

ルパンは瑠璃子に接触を図るも、瑠璃子の用心棒で石川五ェ門を名乗る男が斬りかかってくるのだった。

サラントヤの正体

サラントヤは銃を向けてきた大道寺を蹴り倒し制圧する。

サラントヤ「お前たちには何一つ渡さぬ!からくり時計も、鍵も、私自身も!そして何より我が王国を

明智「それは世を忍ぶ仮の名前。誠は大元帝国の末裔たるアルタンホト王国黄金の城の王子」

「からくり時計の修理・調整を担って来た一族だ」と瑠璃子に言っていたサラントヤ。

しかしその正体はチンギスハンの子孫で、アルタンホト王国の王子だったのだ。
これには瑠璃子も「サラントヤ・・あんた・・男のやったの?」と頬を赤らめる。

ゆんこ
ゆんこ

知らなかったとはいえ、お風呂覗いたりしてましたもんね😅

軍事探偵・本郷義昭

本郷「アジア解放の為ならどんなことでもやる。・・と同時に、貴様のような私利私欲の塊を捕らえるのも、俺の仕事なのさ」

前篇では「少佐」としかクレジットされていなかったが、後篇で本郷義昭だということが判明した。

本郷義昭は山中峯太郎作の「我が日東の剣侠児」「亜細亜の曙」「大東の鉄人」などに登場する架空の人物だ。

身の丈1m75cm強、剣道六段、柔道五段。
美丈夫として描かれる。
第二次大戦中のヨーロッパ・中国・南洋諸島などを舞台に、軍事探偵として超人的な活躍をする

我々の知る次元大介とは違うが、己を信念を貫く本郷義昭の姿には次元に通じるカッコよさがあった。

今作の脚本家・芦辺氏もお薦めする、山中峰太郎作「亜細亜の曙」はこちらから購入できる。
大戦中の英雄である本郷義昭の活躍を是非読んでみてほしい。

ルパン達が迷い込んだ世界

五ェ門もルパンと同じく、この世界に迷い込んだ存在だった

ルパン「よう、十三代目」

そう声を掛けられた瞬間、五ェ門は刃を収める。
ルパンと同じく五ェ門もこの世界に紛れ込んだ存在だった。

十三代しか知らない斬鉄剣の話を持ち出し、ルパンは目の前の五ェ門が十三代目石川五ェ門その人だと確信したのだろう。

次元や不二子が、本郷義昭や黒蜥蜴という名の別人で存在しているのに対し、五ェ門だけは我々のよく知る五ェ門の姿で現れたのはこういう理由があったのだ。

五ェ門が本郷義昭に戦いを挑んだのも、本郷義昭が次元大介そのものか確かめるためだったに違いない。

五ェ門「おぬしは拙者の知る次元大介か?」

本郷に言わなかった3つ目の質問はこんな質問だったのかもしれない。

敵はルパンと五ェ門を罠にはめ、バーチャルマシンに放り込んだ

ルパン(何もかも思い出した。俺と五ェ門はこの巨大施設を探りに来て罠にはまったんだ)

秘密裏に開発され、世間に公開されないままのバーチャルマシン。
ルパンと五ェ門は罠にはまってバーチャルマシンに放り込まれ、この世界からの脱出を条件にルパンのアジトに侵入するためのパスワードを要求されたのだ。

途中ルパン達が不思議な物体に囲まれ閉じ込められるシーンがある。
あれは管理者側から、マシンにパスワードを入力するよう要求されていたのだろう。

ルパンはこれを逆手に取り、非常用のダミーナンバーを教えた。
悪党達はルパンから教えられた偽のパスワードをまんまと入力してしまい、ルパンのアジトに侵入するどころか、1時間後に自分たちのアジトへミサイルを撃ち込まれるという危機的状況に陥ってしまう。

これにより悪党達は大混乱に陥り、ミサイル発射の解除パスワードを得るためにルパン達をバーチャル世界から解放せざるを得なくなった。

余談だが、明智はルパンが別の世界から来ていることに気づいていた。
そこはさすが名探偵と言ったところだろう。

重富瑠璃子の思い出が詰まったバーチャル世界

悪党達がルパンにやられ一件落着、というわけではない。
このバーチャルマシンがかつての帝都東京そっくりに作られていたのは理由がある。

バーチャルマシンには重富留美子の肖像画と共にこう刻まれているのだ。

developed and manufactured with the support of RURIKO SHIGETOMI
(重富瑠璃子の協力を得て開発・製造しました)

ルパン「それは思い出だよ。少女時代の大冒険を唯一のよすがとして、一生を事業に捧げ戦中戦後を生き抜いた女性の、あれは思い出なんだ」

戦後、恐らく瑠璃子とサラントヤは別々の人生を生きた。
二人はその後交わることはなかったが、瑠璃子は初恋の淡い思い出をバーチャルマシンの世界の舞台にしたのだ。

ルパン達がバーチャル世界から解放される瞬間、瑠璃子は年老いた声で言う。

瑠璃子「私の夢につきあってくださってありがとう」

それは自分の思い出につき合ってくれたルパン達への謝意だった。

#6「帝都は泥棒の夢を見る 後篇」の感想

前篇は謎を多く含みながら、後篇では謎を明らかにしつつ、瑠璃子の淡い夢の終わりには切なさを感じさせられるエピソードだった。

特に最後の幕引きは粋な終わり方だったと思う。

現代の工事現場で、崩れた壁には前篇でルパン三世が記した署名と同じものがある。

ルパン「だけど全てが作りものとは限らない。案外俺やお前にあたる人間が織りなす似たような出来事があったのかもしれないぜ」

ルパンが言うように、我々がバーチャルマシンで見た明智や波越も、大道寺や本郷も、瑠璃子やサラントヤも実在し、彼らは現代に息づいているのかもしれない。

現代で芦辺氏がこうしてルパン三世の舞台として彼らを選んだのもきっと偶然ではないはずだ。
筆者は過去から恋文を貰ったような、そんな温かい気持ちにさせられた。

きっと現代でも、お嬢様や名探偵、そして怪盗が実在するのだろう。
そんな希望を感じることが出来る話だった。

芦辺拓氏に「黄金仮面対明智小五郎」というお題を与え、前後編の枠を確保してくださったシリーズ構成の大倉崇裕氏にも、この場を借りて感謝を申し上げたい。

#7「語られざる事件」の考察を読む。

芦辺拓氏の最新作やアルタンホトが登場する作品を紹介!

芦辺氏の2021年最新作「大鞠家殺人事件」は絶賛発売中!
これを機に芦辺拓の世界に飛び込んでみてはいかがだろうか?

また、今回登場したアルタンホトは芦辺氏の作品の中で幾度も登場する。
気になる人はこちらの「殺人喜劇のモダン・シティ」「帝都探偵大戦」を読んでみて欲しい。

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