中世ヨーロッパにおける大学や宗教改革を解説!
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第6話「世界を、動かせ」の考察です。
バデーニ「そしたら私の格も落ちるではないか!」
え、えー‥?
気にするのそこ?😱
何か随分と俗物的な聖職者が出てきましたね😅
「私より無知な者との協力は不毛です」
他者を見下す態度を隠そうともしていないので、周囲からは嫌われるタイプのようです😥
「こないだやってきた副助祭の‥ほら、誰だっけ?あの人とは大違いだよ」
「まったく、都会でいくら優秀だったからって情がなきゃねえ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第6話「世界を、動かせ」
そういえば前回の時点で、村の老人から陰口を叩かれてましたね😅
確かに頭は良さそうなんですが、この人に地動説の研究資料を渡して大丈夫なんでしょうか…?
今回登場したバデーニがどれくらい優秀なのか調べてみました。
さらに、バデーニが言っていたことが現実になるのかについても解説しています。
この記事を読むと、中世ヨーロッパにおける大学や宗教改革について学ぶことができます。
気になった方は最後まで読んでみてくださいね😎
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の6話のネタバレを含みます。
6話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
火星の逆行とは?
バデーニ「何故惑星は後ろに戻ったりするのですか?」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第6話「世界を、動かせ」
火星の逆行については、4話の考察記事でより詳しく解説しているので、火星の逆行について知りたい方はこちらの記事を参考にしてください👇
バデーニ「地球の君から見て、火星の私は後ろに逆行して見える」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第6話「世界を、動かせ」
考察記事では、バデーニとオクジーが実演した例以外にも、逆行の例をいくつか紹介しています!
バデーニはどれくらい優秀なの?
修道院長「バデーニ君、覚えているか?この修道院に入る条件を」
バデーニ「3校以上の上級大学から推薦されている者のみです」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第6話「世界を、動かせ」
上級大学とは何ぞや?という疑問にぶつかり調べてみたんですが、上級大学という記述は見つかりませんでした。
ただし大学において、「神学」「法学」「医学」の学部のことを上級学部と言っていたので、ここでいう上級大学とは「神学」「法学」「医学」がある大学のことではないかと解釈し、話を進めていきます。
以下は15世紀時点で上級学部があったとされる中世ヨーロッパの大学の一覧です。
聞いたことがあるような大学の名前がいっぱい…😱
上級学部があることは、大学の高等教育機関としての地位を示していました。
修道院長「我々は神に仕える仕事をする選ばれし集団だ。その前提で言うぞ。君は圧倒的だ。他は10人がかりで協力してる中、君はただ一人でこの量の問題を解いたそうじゃないか」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第6話「世界を、動かせ」
また、聖職者は信徒に対して神学や教義を正しく教える必要があったため、高い教養が求められていました。
バデーニは3校から推薦を受けた者のみしか入れない修道院の中でも、特に秀でた能力の持ち主ということになります。
ラファウも12歳で大学入学を認められるほどの神童でしたが、バデーニもラファウに匹敵する教養があったのでしょう。
これで性格さえまともならよかったのに(←ヒドイ🤣)
バデーニが言っていたことは現実になる?
バデーニ「教皇は世俗化し、修道院は戒律で思考停止。教会は免罪符で金を稼いでる!これで迷える者の希望になれるのか?このままでは近いうちに対抗勢力によって、教会正統派は崩れるぞ!」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第6話「世界を、動かせ」
禁書を見て取り押さえられたバデーニが何か喚いてましたね。
「教皇の世俗化」「修道院は戒律で思考停止」「免罪符で金稼ぎ」「対抗勢力」など、気になるワードを一つずつ解説していきます😊
教皇の世俗化
世俗化というとピンとこないかもしれませんが、簡単にいうと宗教の衰退を意味します。
日本式でいうと、因習や迷信から解放されて、科学的な価値観に変わっていく感じのことです。
カトリック教会の最高指導者である教皇は、「教皇権」という非常に強大な権限を持っていました。
13世紀初めごろ教皇権は絶頂期を迎え、皇帝よりも力を持っていたほどです。
しかし14世紀に起こった事件をきっかけに教皇権は次第に弱体化していきます。
教皇がフランス王の影響下に置かれた結果、最終的には教皇が二人以上存在するという「教会大分裂」が起こり、教会の権威が失墜していきました。
特にアヴィニョン捕囚では、フランス王の影響を強く受けており、宗教的な決定が政治的な意図によって左右されるようになったと言えます。
修道院は戒律で思考停止
これは当時のカトリック教会の戒律が厳しかったことが関係しています。
修道院長「何度言えば分かる。ここでは想定を超えた勉強は許されない。規律通りに行動しろ。足並みを揃えろ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第6話「世界を、動かせ」
バデーニはこのような状況に疑問を持ち、「人々を導く才能を授けられたはずなのに、勉強が許されない」という矛盾を感じていたのでしょう。
免罪符で金稼ぎ
聖職者の地位がお金で売買されたり、お金と引き換えに罪に対する罰を免除する免罪符が販売されるようになりました。
特に15世紀には教会の財源増収の手段として乱発され、教皇や聖職者が免罪符を利用して教会の資金を集めるようになりました。
このような教会の腐敗が後の宗教改革へと繋がっていきます。
対抗勢力による宗教改革
16世紀に「聖書こそが絶対」とルターが主張し、教皇や聖職者の権威を否定すると、多くの信者がカトリック教会から離れていきました。
さらにプロテスタントという新しい宗派が生まれ、宗教改革運動へと発展していきます。
これにより、カトリック教会は大きな変革を余儀なくされ、内部改革や教義の明確化を進めていくことになります。
当時の禁書の扱いはどのようなものだった?
バデーニ「この小口の刻印、やっぱり禁書だ。しかも宇宙に関する禁忌」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第6話「世界を、動かせ」
ちょっと待って。
不法侵入がダイナミックすぎるでしょ!!🤣
15世紀中頃にグーテンベルクによって活版印刷技術が発明され、書物の大量生産が可能になりました
しかしそれに伴い教会も出版物の管理を強化しました。
印刷所は教会の監視下に置かれていたので、教会の検閲なくして書物を出版することができませんでした。
バデーニが見た禁書も、教会の検閲で出版を禁止された書物の一つだったのかもしれませんね。
16世紀になると禁書目録が作られ、目録には信徒が読むことを禁止された書物の一覧が書かれていました。
後に地動説を唱えたコペルニクスの著作「天体の回転について」も、1882年まで禁書目録に登録されることになったのです。
それにしても、随分と都合よく修道院長の部屋の窓が開いていて、これみよがしに禁書がおいてありましたね🤣
バデーニを疎ましく思う人物がバデーニを左遷させたくてわざと置いた?とまで勘ぐってしまいました。
6話の感想
バデーニ「我々の住む大地は、醜い底辺として切り離されてなどなく、とうの昔からあの美しさの一員だったのかもしれない」
色々と性格に問題はありそうですが、少なくともバデーニのこの言葉がオクジーを救ってくれたと思っています😊
今日の夜空が綺麗なのは、きっと自分を蔑む目がもう見えないからです。
元々オクジーは空を見ることが好きでした。
地が天界の一員ならば、絶望していたこの世に対する認識も今後変わっていくのではないでしょうか。
それにしても超ネガティブ思考な代闘士と、傲慢な聖職者という組み合わせが珍妙というか、これからどんな化学反応をしてくれるのか楽しみですね🤩
5分でわかるアニメ『チ。 ―地球の運動について―』第二章が公開!
5分でわかるアニメ『チ。 ―地球の運動について―』第二章では、次回以降の話がちょっと公開されていました!
女性という理由で満足に研究させてもらえないヨレンタが、オクジーとバデーニと出会うことで物語が動いていくようです。
地動説が教会から弾圧されている考えである以上、あまり大人数で動きたくないと思うのですが、どうしてもヨレンタの力が必要になったのでしょうか。
一体三人がどうやって地動説を証明するのか、次回以降の展開も見逃せませんね!🤩
次回の考察はこちら👇
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