アニメ「全修。」の第12話「全修。」の考察です。
ナツ子「今は絶望しても、いつかきっと楽しい気持ちが生まれる日もくるから…お願い、生きて…」
「全修。」の前半では、今までのアニメ界を支えた技術が惜しみなく披露されました。
そして後半では、無から新しいものを生み出す全てのクリエイター達へのエールみたいなものを感じることができた作品だったな…と思います。
焼き直しのような作品ばかり描いていたナツ子が、『滅びゆく物語』の世界での体験を経て、自身のクリエイターとしての壁を乗り越えていく姿に感動です…😭
最終話はかなり駆け足で残された謎も多いのですが、今後ナツ子がどんな作品を生み出してくれるのか楽しみです!
- 何故ナツ子は現実の世界に戻れたのか?
- 最後すれ違った彼らは本物なの?
- 結局『滅びゆく物語』の世界での出来事は何だったの?
今回は残された謎について、私なりの解釈を書いていこうと思います😍
想像の部分が多いのですがご容赦ください!
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「全修。」の12話のネタバレを含みます。
12話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
何故ナツ子は現実の世界に戻れたのか?

ナツ子「行かなくちゃ、ルーク。私まだ現実でやらなくちゃいけないことがある…」
アニメ「全修。」第12話「全修。」
ナツ子が現実の世界に戻れたのは、ナツ子自身のタップのおかげです。
このタップは現実の世界でナツ子が使っていたタップであり、現実世界への接点でもありました。

ナツ子「あっ!現実にいる人がここにいるってことは…現実との接点があったりしないかな?現実に戻るヒントか何か…」
アニメ「全修。」第2話「死守。」
酒場の女将がスタジオコンコンの社長をモデルにしていると分かった時、現実との接点が戻るヒントではないかとナツ子が予想していましたね。
実際ナツ子が消える前にタップが光っていたので、タップが現実の世界に戻るきっかけになったのは間違いないと思います。
最後すれ違った彼らは本物なのか?

ラストですれ違った「彼ら」は本物だと思っています。
すれ違う少し前から、ナツ子が挿しているユニオの角飾りが光っていたため、ユニオがナツ子を探していたといっていいでしょう。
ナツ子が自身のタップで現実の世界に戻ってこれたように、ユニオもナツ子の角飾りを目印に現実の世界にやってきたのだと思います。
ルーク「今度は俺がお前の現実の国に行く。必ず会いに行くから、待ってろ!」
アニメ「全修。」第12話「全修。」
「ルークが約束を守って現実の世界にやってきた」というのがシンプルかつ王道な展開ですよね🎵

ルーク「結婚しようかと思ってる」
アニメ「全修。」第8話「告白。」
そしてその後はプロポーズからの結婚…というのはいきなりすぎるので(というかナツ子が照れそう)、とりあえずおつき合いからお願いします!😍
結局『滅びゆく物語』の世界での出来事は何だったの?

これまでの物語が何だったのか、大きく分けて二つあると思います。
- 『滅びゆく物語』の世界に異世界転生していた
- 食中毒で倒れていたナツ子が見ていた夢
まず②の夢説の場合ですが、この場合だとラストの展開に矛盾が生じます。
実際にルーク達が現実の世界にやってきた以上、全て夢と片づけるのは難しいでしょう。
とはいえ、①の異世界転生だとナツ子は死んでいないのでちょっと違う気もします😅
アニメ「全修。」の世界観

そこで考えたのが、図にある「現実と物語の境目の世界」です。
小学生のナツ子がいた映画館のような場所ですね。
ナツ子が腐ったハマグリ弁当を食べた後に来た世界がここです。
その世界では鳥監督が映画『滅びゆく物語』を上映しています。
現実のナツ子が、境界の世界から映画の世界へと「転送された」と考えるのが一番しっくりきました。

ナツ子(これはこういう物語なんだから…しょうがないよね…)
アニメ「全修。」第1話「始線。」
小学生のナツ子は、転送されたナツ子が存在する『滅びゆく物語』をスクリーンを通して見ていました。
そして時折タップを通して、「描け…描くんだナツ子」と語りかけていたのだと思います。
7話でナツ子に恋した人たちの夢を見たのは、ナツ子が夢の中で「現実と物語の境目の世界」に戻っていたからであり、「映画の世界」と「境目の世界」はある程度行き来が可能なものだと考えています。
ただし現実世界の行き来には、その世界に自身が強く紐づけられているアイテム(ナツ子のタップ)や目印(ユニオの角飾り)が必要になります。
上映されている映画は鳥監督が管轄している

鳥監督「お前が来てから映画の総尺が伸びて仕方ない」
アニメ「全修。」第8話「告白。」
物語の大半を占める、映画『滅びゆく物語』の世界は鳥監督が管轄しています。
鳥監督とは死んで翼を得た鶴山亀太郎監督のこと。
『滅びゆく物語』の世界にすっかり馴染んだナツ子と違って、鳥監督はこの世界を「映画」と割り切っていましたね。
◤オリジナルTVアニメ『全修。』◢
— TVアニメ『全修。』公式 (@zenshu_anime) February 24, 2025
鶴山亀太郎
cv.#榊原良子(「榊」は、木へんに神が正式表記)
『滅びゆく物語』の監督。巨匠。
確固たる世界観を持つ。孤高の存在。
数々の作品を世に送り出したが、
晩年はヒット作には恵まれなかった。
▼公式HPhttps://t.co/AlwSGx5Hck#アニメ全修 #ZENSHU pic.twitter.com/uVACV1aJdn
鶴山監督は確固たる世界観を持っている人だったため、ナツ子がいくら修正しても強制的に物語の本筋に戻されました。

ソウルフューチャーを破壊したルークが超空洞ヴォイドとなり、最後に残るのがQJという結末も変わりませんでした。
ルークを救い、新たに生きていくための世界を創った

そこでナツ子はルークを救い、ルーク達が新たに生きていくための世界を無から創りました。
ナツ子(お願い…生きて…)
「ルーク!好きー!!」
アニメ「全修。」第12話「全修。」
自分が恋したルークを描き、超空洞ヴォイドとなってしまったルークに自分の思いの丈をぶつけることで、絶望したルークに空いた心の穴を埋めたのです。

超空洞ヴォイドの心が満たされたことで、新たなソウルフューチャーが生まれ、世界は再生しました。

新たな世界は鳥監督が上映していた映画とは独立して存在しています。
そのためナツ子が現実の世界に帰った後も、映画『滅びゆく物語』は改変されておらず、平成最大の爆死映画のままです。
ナツ子の原点となったバイブルとして、『滅びゆく物語』は存在し続けます。
ナツ子は映画『滅びゆく物語』の中で初恋を経験し、「巨匠になる」という情熱を思い出し、新しいものを次々と作り出すことができるようになりました。

ナツ子「私だけじゃないよー、みんなのおかげ。次考えてるんだけど…また一緒にやってくれないかな?」
春子「えっ?…はい!」
アニメ「全修。」第12話「全修。」
おかげで映画『初恋ファーストラブ』は大ヒット。
他のスタッフと協力することもできるようになり、ナツ子は充実した生活を送っています。

おそらく、現実の世界ではナツ子は病院に担ぎ込まれて一命を取りとめたのでしょう。
目覚めた後、人が変わったように周りを気にかけるようになった…というのが周囲の認識ではないでしょうか?
12話の感想

ナツ子「えっ?」

この後どうなったか気になるううう!!というラストでした😍
惜しむらくは、ソウルフューチャーが空気を読んでいなかったこと(え?)

この最ッ高にいい雰囲気をぶち壊して、新しいソウルフューチャーが出てきたじゃないですか!

ラクダでも空気を読む世界なのにひどいですよね🤣
さて、アニメ「全修。」は終わりを迎えましたが、私は十分楽しめました🎵
最終回特有の駆け足感やご都合主義感はありましたが、ナツ子やルーク達が大好きになりましたし、その後どうなったのか視聴者の想像に任せる余白みたいなものがあったのも好印象です!
私はラストすれ違った「彼ら」が本物であると解釈しましたが、皆さんはどう思いましたか?
皆さんの考えをコメントで聞かせてくれると嬉しいです🎵
以下おまけになります😍
EDのルーク

最終話ではED「ただ、君のままで」は流れませんでしたが、このエンディングはナツ子が新たに創った世界をユニオ達と巡りながら、現実の国へ行く方法をルークが捜しているのではないかと思っています。
君が描いた世界が生きる意味になった
伝説の勇者という重圧から解放され、ルークもまた新たな道を歩き出したと言っていいでしょう。
これまで辛い思いをした分、ルークには幸せになって欲しいですね😊
意外なカップル爆誕

ジャスティスとデステニーがくっついたのは意外でした。
最後までルークを信じていたこと、最期は自分を慕ってくれた子供たちを体を張って守ったジャスティスはかっこよかったですね~。
子ども達の為に優しい嘘をついて最期を共にしたデステニーも芯のある女性でした。
今後は二人でサーバルキャットハウスを盛り立てていってほしいですね!
あとデステニー、ちゃんと理事長とは婚約破棄しとくんやで…。
いつも私は考察する立場からクリエイターの皆さんが作り上げた世界がどんなものなのか深堀りしています。
アニメ「全修。」の世界では設定資料集やアニメ雑誌という媒体を通して、よりこの世界を理解することができました。
12話という限られた話数の中で、どれだけ自分達が考えた世界を表現できるかという中でさまざまな工夫が見られ、その工夫を紐解く作業はとても楽しいものでした😆
この場を借りて制作陣の皆様にお礼申し上げます。
そして虚無から素晴らしい世界を生み出してくれる全てのクリエイターの皆さまに感謝を!
ここまで考察におつき合いいただいた読者の皆さんも、本当にありがとうございました😊
また別の考察でお会いできる日を心待ちにしています🎵
コメント