アニメ「LAZARUS ラザロ」の第11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」の考察です。


あ、アクセル―!😱
どう見ても致命傷なんですが!?
それぞれができることをやるため、ラザロチームは自らの判断で別行動を取りました。
最後には全員揃ってリーランドの待つアジトへ帰ってくるよね…?🥺
しかし状況は想像以上に厳しく、陸軍情報保全コマンドに向かったハーシュ、ポップコーンウィザードを追ったダグとエレイナ、そして双竜との死闘を繰り広げたアクセル、それぞれが命の危機にさらされています。
特にアクセルは腹を銛で貫かれ、一刻を争う非常に危険な状態です。
最初の死者が出るまであと5日、一体どうなってしまうのでしょうか?
- ウェントンとは?
- ウェントンは顔に穴を穿たれてどうなった?
- 本当の反逆者は誰?
- ポップコーン・ウィザードとスキナーの関係は?
今回は11話の人物相関図を参考にしながら、双竜が口にした「ウェントン」に関する内容や、真の反逆者が誰なのか解説していこうと思います。
気になった方は最後まで読んでみてくださいね😆
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「LAZARUS ラザロ」の11話のネタバレを含みます。
11話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
11話時点の状況
アニメ「LAZARUS ラザロ」第11話の人物相関図を使って、それぞれの立場・動きを整理しています。

さらに双竜の回想に登場した「ウェントン」の正体や、リン・ハーシュの動向や、陸軍情報保全コマンドの企みについても解説します。
ウェントンとは?

(原文)曰天山有神焉 其状如黄囊 赤如丹火 六足四翼 渾敦無目 実惟帝江也
(書き下し文)曰く、天山に神有り。その状、黄囊の如く、赤きこと丹火の如し。六足四翼、渾敦として目無し。実に惟帝江なり。
(現代語訳)天山に神がいる。その姿は黄色い袋のようで、朱色の火のように赤く、六本の足と四枚の翼を持ち、混沌として目がない。まさしくこれが帝江である。
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」双竜の回想シーン
ウェントン(渾沌)は、中国神話に登場する混沌とした原初の存在です。
世界がまだ形成される前の混沌状態を象徴し、天地の始まりや創世神話で語られる存在であり、後の物語や伝承にも大きな影響を与えています。
双竜の回想に登場した混沌は、『山海経』大荒西経に登場する「帝江」の描写を引用したものです。
混沌には大量の札が貼られていたことから、道教の護符を連想させます。

足に貼られた「鎮」が一番目立っているのは、ウェントンが暴走しないように動きを封じている意味合いが強いのかもしれませんね😊
道教では、こうした札は邪気を払い、悪霊や災いを封じ込める力があるとされています。
作中のウェントンも、もし暴走すれば手のつけられない「顔のない怪物」になってしまう危うさを象徴しているのかもしれません。
ウェントンは顔に穴を穿たれてどうなった?
少年「ウェントンの顔がないのを気の毒に思った人々は、彼の顔に穴をあけました。しかしウェントンはとても苦しがり暴れて手がつけられなくなりました。そして…」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
この双竜の回想シーンで語られた、ウェントンの顔に穴を開けるという話は、「渾沌、七竅に死す」という寓話が元になっています。
以下、『荘子』における渾沌の話を引用します。
南海之帝為儵,北海之帝為忽,中央之帝為渾沌。儵與忽時相與遇於渾沌之地,渾沌待之甚善。儵與忽謀報渾沌之德曰:「人皆有七竅,以視聽食息,此獨無有,嘗試鑿之。」日鑿一竅,七日而渾沌死。
(現代語訳)
南海の帝は儵、北海の帝は忽、中央の帝は渾沌といった。
儵と忽は時々渾沌のもとで会い、渾沌は二人を非常に手厚くもてなした。
儵と忽は、渾沌の恩に報いようと相談して言った。「人はみな七つの穴(目・耳・口・鼻)があって、見る・聞く・食べる・息をすることができる。しかし渾沌だけはそれがない。試しに穴を開けてやろう。」
こうして一日に一つずつ穴を開けていき、七日目に渾沌は死んでしまった。
『荘子』内篇第七『応帝王篇』
儵と忽は善意で渾沌の顔に穴を開けましたが、かえって渾沌本来の自然なあり方を壊してしまった、という寓話です。

双竜「教えてくれ…ウェントンは顔に穴を穿たれ…その後どうなった?」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
つまり、双竜の問いに対する答えは、「死んでしまった」というのが正解です。
なぜなら顔に穴を穿つことは、混沌本来の自然なあり方を破壊し、人間の枠に無理やり当てはめる行為だったからです。
名前も心も奪われ怪物として生きてきた双竜も、もし顔に穴を開けられれば、ウェントンと同じく存在意義を失い死ぬことになります。
双竜が激しく動揺していたのは、ウェントンの結末を思い出せないこと以上に、自分の存在が消えてしまう恐怖を本能で悟っていたからかもしれませんね。

双竜に答えを教えたらどんな反応をするんでしょうか?
知りたいような知りたくないような…😱
本当の反逆者は誰?

シュナイダー「誠に遺憾ながら…あなたにはしばらくここに滞在してもらうことになる。罪状はそう…国家反逆罪ってとこですかね」
ハーシュ「とうとう尻尾を出したわね、シュナイダー少尉」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
パキスタンにいるダグとエレイナに差し向けられた追手を止めるため、ハーシュは単身陸軍情報保全コマンドに殴り込みに向かいました。
アイマン刑務所の投薬実験のことを指摘すると、即座にハーシュは拘束されてしまいます。
これは国家反逆罪を犯したのはむしろシュナイダーたちの方だったことを意味しています。

ハーシュ「そんな…このプロトタイプは、一瞬で人を殺してしまう力を持つってこと?」
アニメ「LAZARUS ラザロ」第10話「 I CAN’T TELL YOU WHY」
ハプナのプロトタイプにより多くの人が犠牲になったスキポール空港事故を、「テロリストによるBC兵器の使用」と報告したこと。
ハーシュ「陸軍情報保全コマンドはアイマン刑務所で、密かに死刑囚や終身刑の囚人を対象に新薬の臨床試験を行った。実験参加者は全員死亡。もちろん公式の記録には残っていない…」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
そしてアイマン刑務所において非公式でハプナのプロトタイプの投与実験を行ったこと。
シュナイダー「アクセル・ジルベルトが長生きすることを願いますよ」
ハーシュ「はっ…なるほど」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
そしてパキスタンに向かったダグとエレイナだけでなく、アクセルにも刺客を送り込んだことを匂わせています。
彼らがハプナの危険性を包み隠さず報告していれば、今の世界の混乱は起こっていなかったはずです。
ハーシュ「世界中が生き残りをかけてスキナーを捜す中、あなたたちだけは違う理由があるようね」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
そして世界の滅亡が迫っている時に、呑気に証拠隠滅をはかっている彼らの動きは明らかに不自然です。
陸軍情報保全コマンドはハプナのプロトタイプの実験を通じて、世界が知らないハプナの真実について知っている可能性が高いといえるでしょう。
それは自ずとラザロチームの目的であるスキナーへと繋がります。
ハーシュ達が知られたくない真実に辿りついたからこそ、シュナイダーは国家反逆罪という力技でハーシュを拘束せざるをえなかったのです。
本当の反逆者は、国家を欺き、世界中の人々を危険に晒した陸軍情報保全コマンドの方だったわけですね😡
ポップコーンウィザードとスキナーの関係は?

リン「マッド・スクリーマー?」
アニメ「LAZARUS ラザロ」11話「RUNNIN’ WITH THE DEVIL」
熱で朦朧とするエレイナはついにポップコーン・ウィザード(リン)を見つけます。

わざわざ会いに来てくれたん?って感じの笑顔ですね😊
この時「彼女は敵じゃない」と確信しました!
さて、ポップコーン・ウィザードは1話からスキナーと深く関わりがあることが示唆されています。
一体彼女はスキナーとどう関与しているのか、おさらいしていきましょう!

こちらがポップコーン・ウィザードの足跡を示した図です。
エレイナ「これだけのスキルを持つハッカーは多分世界に3人くらい」
リーランド「その3人って?」
エレイナ「ポップコーン・ウィザード。ドクター909。マッド・スクリーマーの3人…。あ、最後のは私ですけど…」
アニメ「LAZARUS ラザロ」第3話「LONG WAY FROM HOME」
10万人のスキナーを生成したのがリンかは確定していませんが、感熱マップを書き変えられるほどの腕のハッカーは世界に3人しかいないということで、暫定でリンがやったこととしています。
こうして見ると、本当にリンは序盤から存在感あったんですよね😲
逆に5話より後はなかなか登場しなかったので、いつ出てくるのかずっと待っていました!
スキナーが人工心臓になったのはここ3年とされているので、少なくともその頃から、リンはスキナーのことを技術的に支えてきた影の存在といえそうですね😆
11話の感想

ラストのアクセルがあまりに衝撃的で、「いやいや、きっとアクセルのことだから間一髪で避けてるはず…」と画像を明るくしてみましたが、これ完全に腹部貫通してますね。

あかん、ここから入れる保険がなさそうや…😭

アクセル生存を信じるとするなら、「これがあれば俺は死なないんだ」と言っていたお守りを所持していること、アクセルの夢で羽が舞っていたことについて伏線が回収されていないこと、そしてハプナが効かないといった特殊な体質であることでしょうか。
運も味方すれば、アクセルが保護しようとしていたアイマン刑務所の医者に手当てしてもらう、10話で登場した会員制医療ソサエティーに担ぎ込まれるなど、幸運が重なればワンチャンあるんじゃないかな…と勝手に期待しています。
でも、もし助かっても目を覚ました時には全て終わってそうな気もしますけどね🤣
以下、細かすぎる小ネタです!
黒板に書かれた式

- F = ma(運動方程式)
- F = F=GmM/r²(万有引力の法則)
- v = √(GM/r)(軌道速度の公式)
黒板に書かれていた3つの公式は、円運動する物体の軌道速度を求めるために必要なものです。
プロの殺し屋ともなると、距離や重力、弾速なんかを計算して狙撃の精度を上げてそうですし、こういった基礎力学の知識も必須なのかもしれませんね😲
双竜が使っていた手榴弾

ところで、双竜が一度だけ変わった形の手榴弾を使っていたのに気づきましたか?
渡辺「あのタンクローリーで使ってるのはテルミット手榴弾です。ここはだからちょっと違うんですよね、爆発が」
【ネタバレ注意】『LAZARUS ラザロ』第11話 脚本チームによる放送直後アフタートークライブ配信!
これはテルミット手榴弾であることがアフタートークで語られていました。
通常の手榴弾と違って、燃焼ではなく化学反応によって1000℃という高温が発生するため、爆発音や破片は控えめなんですが、その分焼却力はとんでもないという代物です。
幻の殺し屋のわりにはやたら派手にハイウェイで暴れてたのは、当初はサクッとアクセルを始末して目撃者も焼き払うつもりだったのに、アクセルが思いのほかしぶとくて大騒ぎになっちゃったのが真相みたいです😅
アニメ視聴後に見ると楽しいアフタートークライブはこちら👇
さて、いよいよ残り2話です!
スキナーの尻尾をようやく掴んだといったところでしょうか?
意外と近くにいたりするのか、それとももう話せる状態じゃないのでしょうか…。
個人的にはスキナーとハーシュが生きて再会して欲しいです🤩
なんか、ビバップのスパイクとフェイを思い出しちゃうんだよね…。
次回の考察は6月23日(月)の予定です。
コメント