子どもたちは将来の夢を語る。そして運命が決まる決勝戦で、フシはハヤセと対峙する。
あらすじ
15話のあらすじを読む。マーチの俊敏性、オニグマの力、グーグーの火炎放射・・。
それらを全て失っていたフシは、ジャナンダ島に再び現れたノッカーを相手に苦戦を強いられる。
しかしそんなフシを助けたのはジャナンダ島の人々だった。
ノッカーを倒し、フシは全ての器を取り戻す。
ジャナンダ島は、フシを人としての成熟へ導く学び舎なのかもしれない・・・。
祝宴にて
トナリ「では、我々の勝利を祝して!かんぱーい!」
一同「かんぱーい!」
ノッカー撃退したその夜、トナリはささやかながら祝宴をひらく。
フシは子どもたち・ナンド兄弟と共に、和やかに火を囲んでいた。
ウーパ「不死身さん。これ飲みなさい。牛の血」
フシ「おかわり?」
ウーパ「うん」
前回トナリにご飯に誘われた時、ウーパに牛の血を差し出されれたが、フシは断っていた。
しかし今回フシは牛の血を美味しそうに飲んでいるので、かなりトナリ達と打ち解けていることが分かる。
ウーロイ「さっきの話の続きを聞かせてくれよ!」
ミァ「黒い男が言ってたこと!」
フシは、変身する自分の姿は今まで出会って死んでいった人や動物達であること、ノッカーはそれを奪いに来たことを語る。
ミァ「ていうか、ノッカーの姿になってノッカー倒せばよくない?私、天才!」
フシ「それは試したことないや・・・。でも、ノッカーは皆に感じるのとは違うんだ。何もないっていうか」
ナンド「それで、あんたはその嫌な黒いやつの言いなりになってるのか?」
フシ「皆のことを忘れたくないから、言う通りにしてるだけ」
将来の夢
ミァ「私の夢はね・・有名な絵描きのモデルになることなの」
ウーロイ「俺はたくさん動物を飼いたいなぁ!」
サンデル「僕は医者になりたいです」
ウーパ「私の夢は叶ったよ。太陽がどこから来るのかずっと知りたかった。・・海から来るんだね」
ウーパはこの島の生まれで、外の世界を知らないらしい。
トナリ「あたしの夢は・・お父さんをビックリさせることだよ」
フシ「なんだそれ。お父さん死んでるんだろ?」
ミァ「島を出て、作家になるのよね?」
フシ「好きなだけ食べて!」
祝宴のご馳走の足しに、フシが大量の食べ物を出してくれた。
皆驚いたものの、あまりの美味しさに夢中で食べ始める。
トナリはフシの身体から出てきた食べ物に抵抗感があるようだ。
皆はひとしきりご馳走を食べると、すぐ寝こけてしまった。
戸惑うフシは、過去ハヤセが言っていたことを思い出す。
ハヤセ「ニシアサガオはよく効きますね・・」
フシが出した食べ物の中に、ニシアサガオが入っていたらしい。
以前これを食べたフシ達は寝入ってしまい、ハヤセの罠に落ちたのだ。
フクロウのリガードが非難めいた鳴き声を出す。
フシ「ご、ごめん・・気づかなかったんだ」
ふとフシは、トナリが肌身離さず持っている本を拾う。
そこにはトナリの字で「今日こそあの人を食事に誘おう。私を幸せにしてくれた皆の為に、皆を幸せにしたい」と書かれていた。
フシは寝ているトナリの傍らにそっと本を置く。
あまりニシアサガオが効かなかったのか、トナリだけ目を覚ます。
ちょうどフシが背を向けて去っていくところだった。
トナリ「ごめん。ここに連れて来て」
フシ「うん」
それはトナリの心からの謝罪だった。
フシに出会って、トナリもまた変わり始めているのかもしれない・・。
トナリの過去
(これは私の物語・・)
トナリ「おや、何だこの本は!とんでもなくおもしろいぞ!一体誰が書いたんだ!むむむ・・俺の娘か!」
トナリ7歳。
トナリは両親と共に幸せに暮らしていた。
人間は7歳までは神に運命を握られているらしい。
ある日トナリが起きるとトナリの母が死んでいた。
教会はトナリの父を犯人として島流しを決定した。
トナリは「父は母を殺していない」と信じていたので、父についていくことにした。
堂々と島を出る為、父は島長を決める闘技場の大会に出ることを決意する。
トナリ(最後まで立っているのがお父さんでありますように・・・!)
しかしトナリが見たのは、楽しそうに人を殺す父の姿だった。
そこにいたのは優しい父ではなく、返り血を浴びた屈強な男だった。
父は見事優勝し、トナリは父と落ち合う約束をしているイーポの船着き場へと向かう。
イカダには父からの贈り物と思われる本が置いてあった。
(誕生日おめでとう。この本でお前の夢をつむげ。お前の父エラン・ジー・ダルトンより)
トナリは大切そうに本を抱えた。
父と思われる男が、目の前で毒殺され海に遺体を捨てられていたが、興味なさそうに背を向けトナリはその場を去って行った。
物語の転換点
8歳:私は私で物語を始めようと思った。
9歳:居場所が出来た。私と同じような境遇の子供がここにはいた。
10歳:皆で夢を語り合った。ここに来て初めてちゃんと笑った。
11歳:脱出計画を練り始める。
12歳:仕入れの仕事に就く。脱出の手段としたいが、船員の監視は厳しい。
13歳:外の人達が私たちに寛容でないことを実感する。
14歳:彼に出会う。
ハヤセ「あの少年を船に乗せなさい。彼は必ず優勝するわ。そして伝説になる。全てをひっくり返すの。ジャナンダも、あなたの運命も。あなたが導きなさい」
どの物語にも転換点というものがあるという。今がその時なのかもしれない。きっとそうだ。
決勝戦、過去との対峙
ハヤセ「久しぶりですね、フシ」
何と決勝戦の相手はマーチを手にかけたハヤセだった。
ハヤセ「どこを狙うべきか迷いましたが、おなかはかわいそうなので顔にしました。しかし、それもなかなか手こずりましてね。しかたなく首を狙ってあげました」
ハヤセはパロナをも殺したことをフシに伝える。
フシ「あんたが・・パロナを殺したのか?」
ハヤセ「今、そう言いましたが?」
フシ「殺してやる!」
フシは初めて殺意を人に抱くが、ハヤセは向かって来たフシにニシアサガオの毒を刺し、フシは戦闘不能に陥ってしまうのだった。
16話の感想
ハヤセが狂気的な彼女になって帰ってきた!!
フシを初めて見た時、ハヤセは「神の御業か?」と言っていましたが、その時よりずっと狂気をはらんだ人物になっていましたね。
フシを「あたなは不死身というだけでとてもか弱い」と圧倒していましたし、何より優勝した後、ハヤセが何を望むのかが怖いです。
フシを自分のものにしたそうですよね・・・。
優勝して皆と島を出るという目標を断たれ、フシ達は一体これからどうなるのでしょうか?
17話のあらすじを読む。
コメント