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不滅のあなたへ 2話「おとなしくない少女」

不滅のあなたへ

少年の姿をした”それ”は森の大地ニナンナへとたどり着く。「大人になってママになること」を夢見る少女マーチを待ち受ける過酷な運命とは。

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死と再生を繰り返す歩み

1話のあらすじはこちら。

“それ”は南へ歩いていた。

“それ”は刺激により、あらゆる姿を写しとる。

石、オオカミ、そして今は人の姿をしている。

人の姿はしているが、人たらしめるものは何もないので、すぐ死んだ。

だが”それ”にとって、死は状態の変化にすぎない為、再生機能が働き、また歩き始まる。

そして死と再生を繰り返しながら、”それ”は雪原を抜け、森の大地ニナンナへとたどり着く。

しかしその直後に巨大な熊に襲われてしまう。

—–無駄な死などない。

二ナンナの乙女とオニグマの伝承

ある時人間がニナンナの地にやってきた。

ニナンナの大地は豊かで、多くの恵みがあったが、そこは山の神オニグマの聖地だった。
オニグマは聖地を荒らした人間に怒り、人間を食べ始めた。

そんな時ニナンナの乙女が身を捧げ、オニグマの腹を満たした。

オニグマは満足し、乙女を嫁に迎え入れた。

夢見る少女マーチ

マーチはニナンナの集落の一つで暮らす少女。
「大人になってママになること」を夢見ている。

そんなマーチを本当の妹のように思っているパロナは、手作りの人形を作ってはマーチにあげて、おままごとで遊んであげていた。

マーチ「あなた!ありがとうのごちそうたべて!」
パロナ「わあ、おいしそうだ。モグモグ。やっぱお前の作った飯は最高だ」
マーチ「うふ。わたしとケッコンしてよかったでしょ」

マーチは父と母、そして生まれたばかりの妹リサと共に平和に暮らしていた。

生贄の儀式

ある時ニナンナの隣国・ヤノメから役人たちがやってきた。

オニグマへの感謝の儀式を執り行う為にこの村が選ばれたという。

儀式では村の少女を1名オニグマに捧げなければならず、マーチが選ばれてしまった。

儀式のことがよく分かっていないマーチに、役人の一人ハヤセが無情に告げる。

ハヤセ「あなたは死ぬのです。マーチさん」

「オニグマ様へ捧げる生贄になるのです。皆の為に」

マーチ「マーチ死にたくないんだけど。死ぬって大人になれないことでしょ?」

ハヤセ「残念ですね」

マーチ「なんで勝手にマーチのこと決めるのよ!!」

ハヤセ「そういう決まりです」

マーチ「は!?いみわかんないし~!?」

しかし村にもマーチの親にも拒否権などなかった。

自分が逃げれば友達のラーラが、ラーラが逃げれば、生まれたばかりの妹のリサが生贄に選ばれるだけと知ったマーチは、生贄になることを受け入れる。

おとなしくない少女

儀式の祭壇へは、村から3日かけて山を登る。

しかし道中マーチを連れたヤノメ一行をパロナが襲い、隙を見てマーチは逃げ出す。

マーチ「ごめんなさい、パパ。マーチおとなしくなれなかった」

山道を転げ落ちた先で、マーチは激しく肉体が損壊した”それ”と出会った。

“それの”肉体がみるみる再生されていき、マーチは驚く。

“それ”はマーチには目もくれず歩き出した。

マーチ「どこいくの?マーチもつれていって・・!!」

「ありがとう」を教えられて

マーチ「あなたってなんなの?」

「さいしょはぬけがらさんに見えたのに、うにょにょーってなって生き返ったように見えたわ!」

「たしかあーゆーのって、ふし・・ふじみ?っていうんでしょ?」

「そういえばどこから来たの?」

「そうだあなたなまえは?私はマーチっていうの!」

マーチの問いに一切応えない”それ”が突然止まった。

眼前にそびえる木になっている果物が気になるらしい。

木登りが得意なマーチは、すいすいと木に登って果物を取ってあげる。

「ハイ!」と差し出された果物に、”それ”はかぶりついた。

驚いたマーチは果物を落としてしまうが、地面に落ちた果物を犬のように食べている。

マーチ「え!?うそでしょ・・!!かわいそうに・・おやにしつけられなかったのね・・」

手で持って食べることを教えたりしているうちに、マーチに母性が芽生えたのだろうか。

いい?知らない人に親切にしてもらったら「ありがとう」って言わないとだめよ

言える?ほら「ありがとう」って

母が子にそうするように、口を実際に動かして教えてあげる。

マーチ「もう!マーチはあんたのママじゃないんだからね」

2話の感想

1話の雪原とうってかわって、緑の大地に辿り着きましたね!
1話の名もなき少年はここまで来たかったのかなぁ・・😭

今回からニナンナ編になります。

マーチは元気いっぱいの女の子ですが、生贄に選ばれてしまいます。

「おとなになってママになる」という夢はもう叶わないのでしょうか?

そして次回はいよいよ”それ”がフシと名づけられます。

いい加減”それ”呼ばわりも可哀想なので、早く名づけてあげて欲しいです!

3話のあらすじを読む。

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