舞台はニナンナからヤノメの国へ!囚われたマーチたちの運命は?
あらすじ
3話のあらすじはこちら。不死身のフシに興味を持ったハヤセは、フシ・マーチ・パロナ・そして罪人のピオランをヤノメの国に連れて帰る。
ニナンナとは異なり、ヤノメの国は文明や文字があり、活気に満ち溢れていた。
しかし、ヤノメの国で懸命に生きようとするフシ達をハヤセの罠が絡めとろうとしていた・・。
パロナの記憶
ペンナ「いい?これは人に見つかっちゃいけないゲームよ。次に私が来るまでパロナはここに隠れているの。分かった?」
パロナ「お姉ちゃん?」
ペンナ「ゲームをクリアしたらまた新しい人形作ってあげるー!」
これは幼い頃のパロナの記憶だった。
ペンナは村から離れた木のうろに食料とパロナを置いて行った。
一週間経ち、戻ってこない姉に痺れを切らして村に戻ったパロナが見たものは、姉がオニグマの生贄に選ばれたという事実と、
「儀式から逃げるとは情けないやつだ。それでもニナンナの女か!」
「お前はもうここの人間ではない!どこかへ行ってしまえ!」
自分を責め立てる大人たちの姿だった。
ペンナはパロナが生贄に選ばれないように、わざと村から離れた森に置いて行ったんですね。
そしてオニグマの生贄に選ばれてしまったと・・。
パロナが必死にマーチを守ろうとしていた理由が分かったような気がします。
オオカミから少年へ
フシ達は荷車でヤノメへと移動していた。
ここからヤノメまで20日はかかる。
オオカミの姿のフシはマーチから食べ物を貰っては「ありがとオ」を繰り返していた。
そこへ現れたのは、マーチを生贄に選んだヤノメの祈祷師のピオランだった。
実はピオランは祈祷師でも何でもない罪人だった。
罪人を祈祷師に見立ててまで、ヤノメは生贄の儀式をニナンナに強要していたのだ。
儀式を強行し、施しをニナンナに与えることで、ヤノメはニナンナを精神的に支配してきた。
最終的にヤノメはニナンナの豊かな大地を侵略しようとしているという。
パロナ「このような悪い風習は一刻も早く絶つべきだ!」
ピオラン「無理な話じゃ。ニナンナの年寄りは封建的。『神は死んだ』と言っても信じはしないだろう」
パロナ(一体どうすれば・・)
パロナの姉やマーチのような子をなくさないといけない。
しかしどうすれば?
マーチ「あ~~!ダメダメ~~~!!」
そんな時、オオカミのフシが荷車の中でおしっこをしだして、パロナの思考は中断されるのだった。
一行は途中の川で水浴びをすることになった。
するとオオカミだったフシが少年の姿になり、「あなただったのね!会いたかった!」とマーチはフシに抱きついた。
マーチの言うことを素直に聞くフシ。
パロナ「・・マーチになついているのか?」
マーチ「ふーちゃん、まだ全然子供なの。だからね、マーチこの子のママになることにしたの!」
ヤノメの国で
ハヤセ「今日からあなたがたはヤノメ国のマーチとパロナです」
たくさんの屋台が立ち並ぶヤノメ国。
美味しい食べ物を食べて機嫌が良かったマーチだが、親子連れを見てニナンナの両親のことを思い出す。
「大切な人へ伝えたい言葉はありませんか?手紙屋だよー。あなたの言葉伝えるよー!」
そんな中、手紙屋を見つけたマーチ。
両親への言葉を手紙屋に伝えるが、ニナンナには文字の文化がなく、この手紙を渡しても両親はこの文字を読むことが出来ないとハヤセは言う。
マーチは紙に自分の手形を押した。
文字ですらない手形に小馬鹿にした顔でハヤセは言う。
ハヤセ「それ、何て書いてあるんです?」
マーチ「マーチは元気よって意味よ!!」
マーチ「これ送ってちょうだい」
手紙屋「ああ。ニナンナのどの地域だい?」
ニナンナは広く、一番近い地区でも40も集落があるため、住所が分からないと手紙が送れないと言う。
「夕食にしましょう」とハヤセに遮られ、意気消沈するマーチ。
「この手紙預っておくよ。パパとママの住所が分かったらまた来よう」
とパロナはマーチを元気づける。
夕食に麺と串団子を食べる一行。
ハヤセは箸で、マーチとパロナは手で、フシは顔を丼につっこんで麺を食べていました。
これが文化の違いか・・💦
しかしいちいち馬鹿にしてくるハヤセに腹が立ちます。
箸の使い方が全く分からないマーチとパロナに対して、口の中に串が刺さってしまったフシは、次の串団子ではハヤセ達と同じ食べ方で食べ始めた。
ハヤセ「覚えたようですね。ヤノメの食べ方を」
そして3人の夕飯には一服盛られており、フシ、マーチ、パロナは眠ってしまうのだった。
囚われた4人
4人は別々の牢屋に入れられてしまった。
ハヤセはヤノメ国の重鎮たちに今回の儀式で起こったこと、不死身のフシのことを話す。
武器を持たせた罪人をフシに仕向け、傷が治る様子を実際に見せる。
フシは自分を刺した武器と全く同じものを自分の手の中で作り出し、罪人を刺した。
「い、イタイイタイーーー!」
フシが生み出した槍で肩を貫かれ、罪人は痛みで悶える。
罪人の「イタイ」という感情をフシは学習する。
ヤノメの役人「彼は神なのか・・魔物なのか・・」
ハヤセ「さぁ。しかし私はこう思います。ヤノメの未来に必要な人物であると」
フシはマーチを求め、オオカミの姿になって逃走。
しかしハヤセの弓と役人達の槍で貫かれ戦闘不能に陥るのだった。
フシはマーチの牢屋に放り込まれた。
ハヤセ「マーチさん。そいつを大人しくさせておいてください」
フシに刺さった矢を抜いてあげるマーチ。
マーチ「許せないわ、こんなことして」
フシへの仕打ちに怒りに震えるマーチ。
マーチは看守にいつ外に出られるのか聞いたが、「一生その中だ」と言われてしまう。
一方牢屋からの脱出を目論むパロナは、脱出のための準備を着々と進めていた。
オニグマの最期
「イタイ、イタイ」
矢をマーチに抜いてもらい傷が治ったにも関わらず、フシはずっと「イタイ」と繰り返していた。
オオカミの姿のフシは牢屋の地面を掘り、その穴を通ってフシとマーチは、同じくヤノメ国に運ばれてきていた瀕死のオニグマのところに辿り着く。
そこへハヤセがやってきて、マーチはオニグマの世話を言いつけられてしまった。
危険だとパロナは牢屋越しに言うが、マーチは「大丈夫よ」と笑う。
日々は刻刻と過ぎ、マーチはオニグマの体に刺さった矢を一本一本抜いて一生懸命世話をした。
パロナも掃除の仕事をしながら脱出の機会をうかがっていた。
マーチは優しくオニグマに語りかける。
マーチ「あなたって私と一緒よね。マーチもニナンナを出る時は、皆からすごいとか特別とか言われたけど、ただの女の子なのよね」
「あなたは人間のお肉が好きなただの熊さん。色んな人に騒がれて矢で刺されて本当にオニグマ様みたいになっちゃった。怪我が治ったらきっと帰れるわ」
お前は一生牢屋の中だと告げられた時のことを思い出し、マーチは表情を曇らせる。
マーチ「ご、ごめんね!不安にさせて。よし、よし・・」
マーチは慌てて笑顔を作り、献身的にオニグマの体を撫でてやる。
フシはそんなマーチの傍で「イタイ」と繰り返していた。
そしてふと顔を上げ、「ありがとオ」と言う。
マーチ「え?」
人間達に矢を射られ傷だらけになり、人間の都合で森から連れ出されたオニグマは、マーチの優しさに触れ、最後に感謝の気持ちを伝えて息絶えていたのだった。
器は、空いた——。
4話の感想
補足説明をしておくと、フシは性質上周囲の情報を敏感に感じ取り学習しています。
フシがずっと「イタイ」と言っていたのは、オニグマの感情を感じ取っていたわけです。
それだけにオニグマが最後に「ありがとう」と言って死んで行ったのには胸を打たれました。
マーチのオニグマへの献身的な世話にも好感が持てました。
マーチがフシのママになってくれて良かったなぁ。
そしてフシは死者になれる力があります。
今までもオオカミ・少年の死を目の当たりにして、フシはその姿を変えてきました。
今回もオニグマになれる能力を手に入れてそうですね!
次回はいよいよヤノメ国からの脱出になります。
5話のあらすじを読む。
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