ヨレンタの手紙には何と書いてあったのか?
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第15話「私の、番なのか?」の考察です。
バデーニはクラボフスキあてに手紙を遺していました。
「だからこれは我ながら効力のない言葉だと思うが…心から、お願いします」
って…いやいや!
効果はバツグンだと思いますよ!?😂
あのバデーニが「心から」「お願い」なんてセリフが飛び出すなんて、クラボフスキはもちろん、視聴者の方も驚かれたんじゃないでしょうか?
ルクレティウスの詩はきっかけにすぎず、最終的にクラボフスキの心を動かしたのは、他ならぬバデーニ自身の言葉だと信じたいです!
さて今回はあまり詳細が語られなかったバデーニの行動について脳内補完しています。
その他、頭に刺青を入れるのが痛いのか、ヨレンタの手紙にどんなことが書いてあったのかを解説しています。
興味を持たれた方は是非最後まで読んでみてくださいね😊
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の15話のネタバレを含みます。
15話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
バデーニの足跡をたどる
ピャスト伯の観測記録を受け継いだ後、バデーニが一体何をしていたのかつぶさに語られることはありませんでした。
そこで今回は、語られなかったバデーニの行動を補完してみようと思います。
以下、「惑星の軌道が楕円と気づくまで」「オクジーの本を読んだ後」「ノヴァクが来た日」と3つの時期に分けて解説してみました😊
惑星の軌道が楕円と気づくまで
恐らくは日中は教会で仕事、夕方から夜は納屋で研究に没頭していたのではないでしょうか?
ただし「惑星の軌道は真円だ」という思い込みから、ピャスト伯の観測記録と整合性が取れず研究はうまく進んでいない様子でした。
研究が進まない苛立ちから、オクジーがヨレンタから文字を習っていること、配給のパンを貧民に分け与えていることに対しても好意的にとらえていなかったように思います。
同時期にオクジーに教会と納屋を繋ぐ抜け穴を掘るように頼んでいます。
惑星の軌道が真円ではなく楕円であることに気づいたのは、オクジーが壁にかけたネックレスがきっかけでしたね🤩
オクジーの本を読んだ後
バデーニ「君の文章は論文としての価値はないが、それゆえ伝わる可能性は高いだろう」
オクジー「伝わる?何が?」
バデーニ「”感動”だ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」
オクジーの本を読んで感動したバデーニは、これまでの業務にくわえて、日中は貧民たちの頭皮に刺青を彫るようになります。
*視力が弱いバデーニが手彫りをするとしたら、日中でないと厳しそうだからという理由です。
貧民「だってあいつはパンと引き換えに俺たちの頭にあんなことをした」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第15話「私の、番なのか?」
バデーニは刺青を彫る対価として貧民にパンを与えていたようですね。
オクジーの本は60ページですから、一人1ページとしても1日やそこらで終わるはずがありません。
刺青を彫り終えるのに少なくとも1か月以上かかったのではないでしょうか?
老人「クラボフスキさんから見て、不審な行動はなかったんですか?」
クラボフスキ「い…いや。何というか。全体的に不審な行動だらけで、逆に取り立てては」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第15話「私の、番なのか?」
クラボフスキにも不審がられていたので、しょっちゅう貧民たちのところへ出かけていたものと思われます。
バデーニ「地動説が完成した」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第10話「知」
オクジーに地動説が完成したことを伝えた時には、ほぼ60人分の刺青を彫り終えていたものと思われます。
バデーニ働きすぎやろ…。
少なくとも、本を燃やした時点で彫り終わっていないと辻褄が合わないですね😅
ノヴァクがやってきた日
ヨレンタたちと楽しく会食していた時にノヴァクが突如乱入し、ヨレンタと別れた後そのまま納屋の研究室へとノヴァクを案内します。
ノヴァクは一旦引き下がったかのように見えましたが、ネックレスを見てオクジーとバデーニを異端認定し、増援を連れて納屋へ戻ってきました。
オクジー「ですが、時間は稼ぎます」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第12話「俺は、地動説を信仰してる」
オクジーがノヴァク達を足止めをしている間に、バデーニは地下通路を通って教会へ。
クラボフスキの部屋に手紙を遺します。
その後、村からそう遠くないところで捕まったものと思われます。
バデーニが逃げ切れなかったのは恐らく手紙を置くために教会に寄ったからで、馬を盗んで全力で逃げていたら、少なくともすぐに捕まることはなかったのではないでしょうか。
しかしルクレティウスの一件から、バデーニは地動説を託せるのはクラボフスキしかいないと信じて、彼に手紙を遺したのだと思います。
クラボフスキの中にある知的探求心をバデーニは見抜いていたのかもしれません。
頭に文字の刺青って痛くないの?
貧民「全部で60ページある」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第15話「私の、番なのか?」
バデーニが仕掛けた予防策とは、オクジーの本の内容を貧民たちの頭皮に残したことでした!
10話でバデーニが「貸してほしいのはここだ」と言っていたのは、知恵の比喩ではなく、本当に頭(物理)のことだったんですね…😅
さて15世紀ヨーロッパにおいて、刺青の文化が浸透していたとは思えないので、恐らくバデーニが手ずから手彫りで一人一人彫っていったと思われます。
刺青を入れる時の痛みはカッターで切られる感じに近いそうですが、部位によって痛さが違うみたいです。
結論から言うと、頭皮への刺青は無茶苦茶痛いです。
皮膚が薄く骨に近いこと、神経が多く分布していることが理由として挙げられます。
バデーニさん、わざわざ痛いところを選んで彫るとかドSすぎるやろ…。
本を複写するならある程度の面積が必要として、背中の上部とかに彫ればよかったんじゃないかなと思います。
ただ恐らくバデーニが頭皮をあえて選んだのは、髪で隠れるという利点があったからでしょう。
事がうまく運べば、バデーニは自分の論文を時機を見て発表するつもりだったと思いますし、その場合は貧民たちに彫られたオクジーの本の内容は貧民たちの死と同時に闇に葬られることになります。
この仕掛けが発動するのは、あくまでパンが届かなくなった、つまりバデーニ達が捕まってしまった場合のみです。
二人からパンはもらえなくなりますが、いずれにせよ貧民たちは今後クラボフスキから教育を受け、自分達で生計を立てられるようになるでしょうね🤩
自分たちがいなくなっても、貧民たちがちゃんと生きて行けるように手を打っておいた…。
「資格のない人に知識なんて必要ないでしょ」とか言ってたのに、バデーニ変わりました!
バデーニって本当分かりづらかったけど、優しいところあったんですね😭
それだけオクジーの本で感動したってことなんでしょう。
ヨレンタからの手紙には何と書いてあった?
”今日もみんなと神様のためにお仕事ありがとうございます”
(中略)
ノヴァク「ああ、何て優しい子だ。これ以上ない素敵な字だよ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第15話「私の、番なのか?」
ノヴァクが任務中にも肌身離さず持っていたヨレンタからの手紙ですが、今回書いてある内容が少しだけ分かりましたね!
ところどころ文字が潰れていたり、4歳のヨレンタが書いたということで文法が怪しいところがあるのですが、できるかぎり文字起こしをして和訳をしてみました。
もし読者さんの中でポーランド語が堪能な方がいらっしゃいましたら、ご指摘お願いします😉
*コメントで英訳文を教えていただいたので、より正確に訳することができました。
ありがとうございます!Thank you so much!😍
(原文)
Dzięki praojcze dla bóg i nas rdowlak dzisiaj.
Uwielbiam je ponieważ zawsze działają energicznie nawet w deszowe lub wietrzne dni.
Byłam szczęśliwa magąc zbierać kwiaty i słuchać śpiewu ptaków,gdy szliśmy ramię.
Dziękuję że przyszedłaś spotkać się ze mną o zmierzchu.
Zawsze jesteś taki miły, ojciec.
(意訳)
お父さん、今日も神様と私たちのために働いてくれてありがとうございます。
雨の日や風の強い日でも、いつも一生懸命に働いてくれるのが大好きです。
手をつないで歩きながら、花を摘んだり、鳥のさえずりを聞いたりできて幸せでした。
夕暮れ時に私に会いに来てくれてありがとう。
お父さん、あなたはいつもとても優しいです。
4歳でこの内容を手紙にしたためるとか…天才か!
「夕暮れ時に会いに来てくれて」というのは、いつも夕方までには家に帰ってきてくれるって意味かもしれません。
ノヴァク仕事中はいつも早く帰りたがってましたもんね😅
どうもヨレンタは母親がいる様子ではなかったですし、母を早くに亡くしてノヴァクが一人で育てていた可能性は高いです。
かくいう私も子供が初めて私にあてた手紙を今でも大事にとっているので、ノヴァクの気持ちはよく分かるんですよね。
異端審問官として冷酷な手段に出ることもあるノヴァクですが、今回のノヴァクはどこにでもいる父親の姿でした。
もう娘に寄り添うことも、「愚かな私を許してくれ」と泣いて縋ることもできない。
火あぶりにされたヨレンタを想って泣き崩れるノヴァクの姿を見ていると胸が痛みます…。
ノヴァクは多くの異端を葬ってきた、いわば仇のような存在ではあるんですが、こんな形で罰が与えられるのは正直望んでなかったですね😓
15話の感想
ノヴァクの感情に引っ張られすぎてうっかり忘れがちですが、ヨレンタ生きてます!!
処刑場でのアントニの言葉があまりにも腹が立ったので、私のツッコミと並べて心を鎮めようと思います。
- 気の毒に(心にもないこと言うな!)
- 私は反対したんだがな(むしろお前が主犯やんけ!)
- これだけは燃やさないでくれと頼んだんだ(嘘です、奪い取ってました!)
- 本当はダメなんだが特別にな(恩着せがましい~~~!)
万が一ヨレンタがノヴァクに手紙を出すなりして真実を伝えたとしたら、アントニ命がいくつあっても足りませんよね?
むしろノヴァクにアントニを成敗して欲しいです…。
平然と嘘を並べたてるアントニに不信感がマシマシでした😅
さて次回はヨレンタがどうなったのか知りたいですね!
一応死んだことにされているので教会の追手がかかることはなさそうですが、14歳の女性が今後どうやって生きていくのか心配ですね😓
ヨレンタ「そのことですが…これからはどうするんです?」
バデーニ「私はもろもろの準備を済ませたら、近いうちに南西にある共和国へ行く。あそこは比較的自由に研究が行えるらしい」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第11話「血」
最後の会食でバデーニから聞いた共和国あたりで平和に暮らしてほしいな…と思う一方で、いつかその手にオクジーの本を手に取って感動して欲しいという気持ちもあります。
一体ヨレンタがどんな道をたどるのか見届けたいです😉
次回の更新は1月12日(日)の予定です。
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