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不滅のあなたへ 5話「共にゆく人」

不滅のあなたへ

ヤノメ国からの脱出!フシ達は無事追手を振りきり逃げることが出来るのか?そして衝撃の展開。

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あらすじ

4話のあらすじを読む。

ペンナ「いい?これは人に見つかっちゃいけないゲームよ・・」

(あの時・・お姉ちゃんはどんな顔をしていたんだろう?)

ペンナは、パロナをオニグマの生贄にしないため、ゲームとウソをついてまで生贄の儀式からパロナを遠ざけた。
そして自分はオニグマの生贄に選ばれて死んで行った。

ヤノメ国へと連れてこられ、それぞれ別々の牢屋に入れられたフシ達。
パロナは看守の一人を隙を見て叩きのめし、牢屋のカギを手に入れる。

パロナ(お姉ちゃん・・あなたもきっと笑ってた・・そうでしょ?)
(だから私もお姉ちゃんに貰った命、ちゃんと使うよ

パロナ「脱出だ!さぁ、マーチ。帰ろう!」
マーチ「ねーね!」

ニナンナへ戻る計画を実行する時が来た。

マーチはまだ子供だから分からないだけなんだ

監獄を脱出する前に、パロナにはやらなければならないことがあった。

それはこれ以上ニナンナで生贄の儀式をすることがないように、オニグマの身体の一部を切り取るというものだった。

オニグマは死んだ。だからもう儀式は必要ない

そう証明する為、死んだオニグマの身体をニナンナに持ち帰っておきたかった。

マーチ「何しているの!ねーね、やめて!」

身体を切り取るなんて可哀想だというマーチ。

パロナ「オニグマが死んだと証明できれば、儀式で死ぬ子供もいなくなる。これからはマーチみたいな子を出さずに済むんだ」
マーチ「でもこのくまさんはオニグマじゃないわ」

パロナ「じゃあこう考えてみよう。くまさんはマーチみたいな可哀想な子供を救う為に死んだ。二度と儀式を起こさないために死んでくれたんだと」

マーチ「そんなの勝手よ!!この子はただの大きくて怖いくまさんよ!この子には関係ない!!」

パロナ「違うよ。マーチはまだ子供だから分からないだけなんだ。・・あっ」

「大人になってママになりたい」マーチ。
子供だったから生贄に選ばれたマーチ。
子供だからという理由で、自分の意見は大人に無視される。

マーチの悲しげな表情を見て、パロナもついに折れた。

パロナ「分かったよ、マーチ。やめる。行こう」

パロナはマーチ、フシ、ピオランと共に水路から脱出する。

ピオラン「村の連中をどう説得する。耳を貸すとも思えないがね」
パロナ「私はやる。命を利用しなくても成し得るんだということを証明してやる」

マーチの夢

荷車で脱出する一行。このままヤノメの町を突っ切るらしい。
両親に会えることを喜ぶマーチ。

突如荷車が激しく揺れ、パロナは荷車の後ろの方を見る。

パロナ「なぁ、マーチは大人になったら、何がしたいんだ?」

後ろを警戒しながら、パロナは明るくマーチに問う。

マーチ「そうね。大人になったらできる全部のことをやりたいわ!」

「まずはお料理!これができなきゃママになれないでしょ」
「そしていつか子供ができたら、ねーねみたいにぬいぐるみを作ってあげたいわ!」
「あと、言葉をもっと覚えて文字もいつか覚えたいわね」
「ニナンナに文字を作ってもいいかも!」

さまざまな夢をマーチは語る。

「とにかく今知らない全部のことを知りたいわ!大人になるって”知っていく”ってことでしょ?」
「もちろんふーちゃん、あなたも一緒よ。一緒に知って、一緒に大人になっていくの」

マーチの顔は希望に満ち溢れており、オオカミのフシはその様子をじっと見ていた。

その時、たくさんの矢がパロナを襲った。
パロナは中に着込んだ鎧をぬいで盾にしており、事なきを得る。

マーチ「・・!!」

パロナ「大丈夫だ、マーチ」

ハヤセ達がマーチ達を捕まえようと追ってきていたのだ。
さっき荷車が大きく揺れたのも追手の攻撃によるものだった。

ハヤセ「犬を渡しなさい。そうすれば命は助けてあげます」
パロナ「断る!」

荷車に飛び移ったヤノメの兵士がパロナを襲う。
荷車を、マーチを守ろうとパロナは懸命に戦う。
しかし兵士の後方からハヤセの矢がパロナを狙っていた。

「わたしだって・・」

ハヤセの放った矢からパロナを庇い、マーチは矢を受けてしまうのだった。

ゆんこ
ゆんこ

え・・?うわあああ!!!

にんぎょう遊び

矢に貫かれたマーチを見て、荷車から飛び出すフシ。

オオカミの姿でハヤセから矢を受けるが、オニグマに変身して戦う。
オニグマになったフシの一撃で、ハヤセは吹っ飛んだ。
オニグマが現れ、一瞬にしてヤノメの町は大混乱に陥った。

一方追手をふりきった荷車の中で必死にマーチを介抱するパロナ。

マーチの懐からは、「ありがとうのごちそう」が零れ落ちた。
それは、二人がままごと遊びをしている時、マーチがお礼の意味で渡すものだった。

マーチ「ねーね。マーチのかわりにママになってね・・」

嫌だと、お前がママにならなきゃダメだと、パロナはマーチに呼びかける。

マーチ「ねーね。ふーちゃんはそこにいるの?」
パロナ「うん。いるよ」
マーチ「よかった・・」

マーチは長く息を吐いて、そのまま息を引き取った。

パロナはマーチの残した「ありがとうのごちそう」を食べて、

「わぁおいしそうだ」
「やっぱりお前の作ったメシは最高だ」

といつものように笑う。
そして、マーチの亡骸を抱いて、荷車から飛び降りた。

パロナがフシの元に辿り着いた頃には、町は滅茶苦茶になっていた。

パロナ「フシ。ありがとう。マーチの為に戦ってくれたんだな。」
「でももう大丈夫。その必要はなくなった」

マーチの亡骸を見たフシは少年の姿に戻った。
フシの目の前にはボロボロになったハヤセが何か喚いていた。

パロナはにんぎょう遊びの時のように言う。
マーチはママ役、パロナはいつも仕事で遅くなるパパの役だった。
そしてパロナがマーチにあげた人形たちは子供たちの役だった。

パロナ「マーチ。いつもごめんな。仕事で遅くなって」
「でも今日は特別だ。仕事が早く終わりそうだから。今から一緒に帰ろう」

そして地面に落ちた折れた刀を拾い、目の前のハヤセではなく自分に向ける。

「待ってて。すぐそっちへ行く。」
「この現実を受け入れてのうのうと生きられるほど、私は器用じゃない」

パロナが刀を自分の喉に突き刺そうとしていた時、それを見ている者がもう一人いた。

マーチである。

マーチは幽霊になって、その様子を見ていた。

マーチ(ダメ!ねーね!ダメよ!!死なないで!!)

(ふーちゃんとめて!ねーねを助けて!!!)

マーチの言葉がフシに届いたのだろうか?

フシはパロナの手を掴んで、死のうとするのを止めた。
パロナがフシを見上げると、まるでマーチが「死ぬな」と言っているような顔をしていた。

「あそこだ!人間の姿のうちに捕らえろ!!」

ヤノメの新手が二人を襲おうとしていたが、フシはパロナの手を取り、オニグマの姿となって、ヤノメの町を後にした。

パロナ「それでも生きろって言うのか、お前は。イヤな奴だな」

パロナをその背に乗せて・・。

手紙を預かっているんです

パロナとフシはニナンナの集落に戻ってきた。
オニグマと共に現れたパロナに驚く大人たち。

人混みをかき分けて、マーチの両親が駆け寄ってきた。

マーチの母「パロナちゃん!皆探してたのよ!半年も一体何をしていたの?!」
パロナ「何も・・何も出来ませんでした」
マーチの母「え・・・?」

マーチ「そうだ・・手紙を預かっているんです」

ヤノメの国に着いた日、立ち寄った手紙屋で書いたものを、二人に手渡す。
手紙にはマーチの手形が押されていた。

マーチの父「これは・・ただの手形じゃないか」

パロナ「こう書いてあります。”マーチは元気よ”」

マーチの父と母は言葉を失う。
ボロボロのパロナ、そしてパロナが抱いている小さなもの。

二人はパロナがマーチを助ける為に命懸けで戦っていたこと、そしてマーチがこの世にいないことを悟ったのだった。

パロナの父「なんてことだ・・親である僕が・・マーチを守るべきだったのに・・本当に申し訳ない」
パロナの母「マーチのためにありがとう」

生贄の儀式に逆らえず、マーチを犠牲にしてしまったことを2人は悔いた。
3人は抱き合って涙を流した。

生贄に儀式から自分を守ってくれた姉のように、マーチを守ってあげたかった。
だが、マーチはもういないのだ。

生き方を選ぶ者

オニグマだったフシが少年の姿に戻り、パロナの肩に手を置いた。
泣き崩れていたパロナはフシを見て、柔らかく笑う。

「おい!ヤノメが村に向かってきている!!」
村の者が、ヤノメの追手が来ていることを知らせて来た。

パロナ「まずい!きっと目的はお前だ。逃げるんだフシ。奴らの匂いを避けて行け」

「自分の生き方は与えられるものじゃない!自分で勝ち取るんだ!」

「・・・私の言葉、分かるよな?」

オオカミの姿となって、村をあとにするフシ。

フシを見つけたハヤセを、村の高台から弓で射抜き、足止めを試みるパロナ。
矢はハヤセの手に当たった。
「当たった!」と喜ぶ村人たち。
しかし実際パロナはハヤセの頭を狙っていた。
ハヤセを殺すつもりだったパロナは、「外したんだ・・!」と悔し気に呟くのだった

こうして、フシはニナンナから旅立つことになった。
マーチという母親と出会い別れることにより、フシは人間らしさを得た。

ヤノメ達を避けて森を行くフシ。匂いで果実がなっている木を見つける。

そして、フシはマーチの姿となって、木になっている実をもいで食べた。

「とにかく今知らない全部のことを知りたいわ!大人になるって”知っていく”ってことでしょ?」
「もちろんふーちゃん、あなたも一緒よ。一緒に知って、一緒に大人になっていくの」

——–別れてなどいなかった。共に旅に出たのである。

5話の感想

5話のマーチが矢を受けるシーンは本当に衝撃的でした。
オープニングで、大人のマーチが描かれていたので、何だかんだあってマーチはママになる夢を叶えるだろうと、そう思っていたのです。

そこへまさかのマーチ死亡という展開で、私は大きなショックを受けました。

ゆんこ
ゆんこ

子供が死ぬのは、ホントに辛いです・・😭

今回フシはオニグマとマーチの姿になりました。
こうして人の死を経験しながら、色んなことを学んで行くんですね。

そしてニナンナは、オニグマの姿でフシが現れたことによって、今後儀式をしなくてよさそうです。

これからフシはどこへ向かうんでしょうか?

次回からタクナハ編になります、楽しみです!😆

6話のあらすじを読む。

コメント

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