さよならから始まる永遠の物語。不死身のフシと、人々との出会いと別れを描く。
「不滅のあなたへ」とは
大今良時（代表作：「聲の形」）による作品で、2016年から週刊少年マガジンで連載中。
アニメは全20話。
アニメ公式サイトでは、原作第1話が試し読み出来ます。
「漫画からの方が入りやすい」という方は、こちらを読んでみてください！
観察者
それははじめ球だった
ただの球ではない
ありとあらゆるものの姿を写しとり
変化することができる
私は”それ”をこの地に投げ入れ
観察することにした
名もなき少年との出会い
“それ”はしばらく石の姿で過ごし、やがてそこへ一匹のレッシオオカミが現れ、力尽きた。
“それ”はオオカミの姿を写しとり、はじめて意識を獲得する。
オオカミの生前の傷も複製していたが、20秒かけて回復。
初め歩き方も不格好だったが、すぐに再現した。
風や雪の匂い、さまざまなものを覚えながら、あてもなく歩いて行く。
少年「ジョアン！？やっと帰って来た！！」
「よかった、無事で。心配してたんだぞ。2か月も帰らないから」
とある集落で、生前のオオカミを待っていた少年に抱きつかれた。
このオオカミはジョアンという名前だったらしい。
“それ”は家の中に迎え入れられ、初めてのものをたくさん目にした。
暖かい寝床と暖炉、初めての食事も経験した。
雪の深い集落で生きる少年と”それ”は心を通わせていく。
少年は1人きりだったが、いつも笑顔で”それ”に話しかけていた。
少年の夢
少年は家の壁に集落の人々の絵を描いている。
少年「ここに人がいたって分かるようにね。それと忘れないように」
「ジョアン。僕もここを出ようと思う。色んな人に会って色んなことを感じたいんだ。
きっと悪いこともあるだろうけど、それでも僕は世界を知りたいんだ。もちろん君も一緒だ」
5年前集落の大人たちは、ここからずっとずっと南に楽園があると信じて出て行った。
当時今より子供だった少年は、「おばあさんたちの面倒を見てろ」と留守番を言い渡された。
そのおばあさんたちも全員死んでしまった。
もう皆の帰りを待っているだけなのは嫌だった。
このままこの家で朽ちるくらいなら、皆と同じ場所に行きたい。
少年とオオカミは旅支度を整えて、南へと出発した。
夢の終着点
雪が吹雪く中での旅は厳しいものだったが、少年には希望があった。
旅の途中で、時折誰かが残したと思われる石があったからだ。
少年「これ・・メッセージだ！この方向へ進めって・・」
この先に楽園があって、集落の皆もきっとそこにいると信じることができた。
途中少年は川にはまって左足を負傷してしまうが、それでも前に進むことをやめなかった。
そして少年が目にしたものは・・。
「この先に進むことはできなかった」という石と
集落の皆がここで力尽きたと思われる残骸とお墓だった。
「これはすごいぞジョアン！これは人がいた痕跡だ！」と気丈に振る舞う少年だったが
今まで決して見せなかった涙をこぼすのだった。
少年は家に戻ることを決めた。
少年の願い
やっとの思いで家に辿り着いたが、道中少年が負った怪我の容態は芳しくなかった。
熱に浮かされながら、少年は”それ”に言った。
ジョアン・・僕・・君にお願いがあるんだけど・・僕のこと・・ずっと覚えていて
そして”それ”は少年の姿を写しとり、歩き出す。
少年がそうしたかったように。
「色んな人に会って色んなことを感じたいんだ。きっと悪いこともあるだろうけど、それでも僕は世界を知りたいんだ」
1話の感想
1話からスケールの大きさが伺えるお話でしたね！
少年の姿を獲得した時に、少年がやりたかったことをやり始めたということは、オオカミの姿になった時もそうだったのかな？と想像しました。
そっか・・ジョアン・・お前あの少年のところに帰りたかったんだな・・。
と思うと、こみ上げてくるものがありますね。
あらすじでは書ききれませんでしたが、ジョアンの姿の時も”それ”は色々な姿を見せてくれました。
食事シーンでは、少年が食べるのを真似して、最後「ホラ！」と喋ってまでみせるのですが、少年は一瞬「ん？もしかして喋った？」って顔をしていましたが、流しちゃいましたね。
歩き方にしろ、食事にしろ、模倣する力がとんでもないんだと思います。
“それ”が「フシ」という名前を与えられ、色んな人達との出会いと別れを繰り返しながら成長していく物語です。
興味をもたれた方は是非見てみてください！
2話のあらすじを読む。
コメント