古代ギリシャで活躍した思想家たち
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第8話「イカロスにならねば」の考察です。
俺はええと…こちらのバデーニさんの
雑用係です。
えっ…😱
オクジーの扱いがひどすぎるー!😂
さらには捕まった場合の保険として、ヨレンタに罪を擦りつければいいと思っているあたり、バデーニは知識の使い方間違ってるやろ…。
今回はバデーニとヨレンタの会話の中で登場した「普遍論争」「唯名論」や、古代ギリシャで活躍した思想家たちについてザックリ解説していこうと思います!
オクジーにも分かるように解説したつもりなので、是非最後まで読んでいってくださいね😂
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の8話のネタバレを含みます。
8話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
バデーニとヨレンタの会話について解説
8話では、道すがらバデーニとヨレンタの博識っぷりがうかがえる会話が展開しました。
隣で「?」となっているオクジーが可愛すぎんか?
ここでは、「普遍論争」「唯名論と実在論」「アベラールとオッカム」について解説していこうと思います。
普遍論争って何?
ヨレンタ「失礼ですがあの…普遍論争ではどちらの立場を?」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第8話「イカロスにならねば」
普遍論争とは、中世ヨーロッパの哲学者たちの間で行われた大きな議論のことです。
この議論の中心となったのは、「一般的な概念や性質は本当に存在するのか」というものでした。
概念とか難しいこと言われても、俺分からないんですが…。
ごめんて!😅
ここからは「鳥」を例に挙げていきます。
「鳥」という概念について考えてみましょう!
概念というと難しいので、「大まかなイメージ」「本質的な特徴」と捉えると分かりやすいかもしれませんね😉
普遍論争は一見単純な問いかけですが、物事の本質や性質について考えるきっかけとなった重要な議論でした。
ピャスト「聖書は真理だ。だが今の我々に正しい読み方ができているかは分からない」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第8話「イカロスにならねば」
普遍論争によって聖書の読み方や理解が変化し、新たな考察が生まれることになったのです。
唯名論と実在論
「鳥」という概念が存在するのかという問いについては、二つの立場がありました。
- 実在論:「鳥」という概念は実際に存在すると考える立場
- 唯名論:「鳥」は単なる名前で、個々の鳥だけが実在すると考える立場
実在論の立場
世界中にはたくさんの鳥がいて、それぞれ違う見た目をしています。
しかし、私たちはそれらを全て「鳥」と呼んでいます。
大まかなイメージがあるからこそ、私たちは「鳥にもいろんな種類がいる」ということを理解できているといえるでしょう。
このように実在論では、「鳥」という概念が個々の鳥とは独立して存在し、全ての鳥に共通する本質的な特徴を反映していると考えます。
唯名論の立場
対して「唯名論」は、「鳥」というのは便宜上人間が後付けでラベリングしたものにすぎないという立場です。
例えばですが、ペンギンは鳥ですが飛べません。
これは「鳥」という概念が絶対ではないことを示しています。
概念を絶対視せず、個々の事例を詳細に観察することの重要性を強調する立場が唯名論ということになります。
つまりヨレンタとバデーニが唯名論の立場をとっているということは、世間の常識にとらわれず、観測記録を重要視していると考えられます。
鳥を引き合いに出して説明してみたけど…。
オクジーくんどうだった?
分かったような分からないような…。
とにかくバデーニさんもヨレンタさんも頭がいいってことですよね。
…ところで、ペンギンって何ですか?
オクジーくん、そこから!?😱
オッカムは何故過激なの?
バデーニ「唯名論です。アベラールを支持します」
ヨレンタ「私…!の主人様も唯名論です。オッカムを支持してます」
バデーニ「オッカムは少々過激では?」
ヨレンタ「で…でも真理の探究にはある種の大胆さは不可欠かと」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第8話「イカロスにならねば」
バデーニとヨレンタの会話の中に「アベラール」「オッカム」という人名が登場しましたが、一体どういう人物なのでしょうか?
従来の教会の立場も踏まえながら解説していきます。
中世の教会では、聖書の言葉には深い意味があり、一つの言葉が複数の意味を持つと考えられてきました。
これは実在論の立場です。
アベラールとオッカムはともに中世の哲学者で、普遍論争においては唯名論の立場をとっています。
アベラールは、「普遍的な概念は実際には存在しないが、それでも私たちが使う言葉や考え方には意味がある」という考え方を提案しました。
つまり、アベラールは唯名論と実在論のいいとこどりをしたって解釈でいいです?
そうそう、そんな感じです!😍
つまりバデーニは唯名論を支持してはいるものの、アベラール自身は厳密には唯名論と実在論でもない独立的な立場をとった人です。
対してオッカムは伝統的な教会の教えに強く挑戦しています。
聖書の言葉には必ずしも多くの隠された意味があるわけではなく、シンプルな理解で十分だという新しい考え方でした。
オッカムの考え方は大胆で、教会の伝統的な教えや聖書解釈の方法に大きな変化をもたらす可能性があったので「過激」とみなされたのです。
ヨレンタさん、そんな過激な思想を支持している女性には見えませんでしたが…。
いちいち、「私の主人が」って言いなおすヨレンタが可愛かったですよねw
「私の友達の話なんだけど~」って恋バナを始めるんだけど、相手には(絶対自分の話やな…)ってバレてるやつ🤣
(恋バナって何だ…??)
古代ギリシャで活躍した思想家たち
バデーニ「ちなみに異教徒のヘラクレイデスはご存知で?」
ヨレンタ「…はい」
バデーニ「おお!ではフィロラオスは?」
ヨレンタ「あのバカげた仮説の…ですよね」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第8話「イカロスにならねば」
知らない名前が多すぎて訳が分かりませんでした…😭
私もアリスタルコスしか分からなかったので安心してください😉
「フィロラオス」「ヘラクレイデス」「アリスタルコス」について、活躍した時代と提唱した説をまとめてみました!
こうして見ると、アリスタルコスの時点でほぼ地動説完成してませんか?
何故地動説は受け入れられなかったんでしょうか?
当時はアリストテレスの地球中心説が主流だったからだと思います。
その後、紀元後2世紀にプトレマイオスが天動説を提唱し、多くの人々に受け入れられたため、アリスタルコスの説は次第に忘れ去られてしまったんです😓
8話の感想
今回天動説の立場でピャスト伯が登場したのも面白かったですね。
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」は、地動説というある意味無謀な挑戦をしようとしている人たちのお話です。
しかしピャスト伯のように、天動説をより完璧にして宇宙を完成させようと人生を捧げてきた人も当然いるんですよね。
ピャスト伯の才能を見出した教授は「修正して私が一人で完成させる」「膨大な記録は私一人が閲覧できる」「じき私は真理に辿りつく」と言っていました。
しかし現在資料はピャスト伯の手にあり、ピャスト伯が宇宙を完成させようとしているということは、教授は真理に辿りつけなかったことを意味します。
一族の恥とまで言われたピャストは、貴重な金属製アストロラーベをあっさり自分にくれた教授に感動をもらい、全てを託された人間なんですよね。
二人の関係はフベルトとラファウの関係によく似ている気がします。
天動説の最先端をいくピャスト伯を味方につけられるかどうか、膨大な観測記録が地動説の完成にも大きく貢献することが分かっているだけに、ここは正念場ですね。
でも人生を懸けた研究が間違いだったなんて、ピャスト伯は認めたくないだろうなぁ…😭
「真理のためなら、時には大胆さも必要」と考える点では、ヨレンタとピャスト伯は似た者同士ですよね。
ヨレンタがピャスト伯の心を開いてくれると信じたいです!😆
次回の考察はこちら👇
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