実はノヴァクの方が「異端」!?
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第13話「『自由』を」の考察です。
オクジー「うかつにも憧れて求めてしまったからだと思います。自由を」
実を言うと、オクジーはある意味自由を手に入れています。
元々オクジーは代闘士として周囲からは人殺しと蔑まれ生きてきました。
空を見るのが大好きだった目は人を殺すための商売道具でした。
そんなオクジーですが、文字を習得したり、再び空を見ることで地動説の完成に立ち会ったりと、フベルトやラファウからの感動を繋ぐ歴史の証人となっています。
ノヴァク「自由といえば聞こえはいいが、規範がなければ獣と同じじゃないか」
ノヴァクが言っていた「自由」は単に個人がやりたい放題やるだけの自由です。
それをやってしまうと結局誰かの自由を侵害してしまうため、真の自由とはいえません。
そのため自由には社会や他者との調和が不可欠です。
本来の自由は、自分を見つめて他者との関係の中で自分の役割や存在意義を見つけることだと思います。
最初こそグラスに巻き込まれる形でしたが、オクジーの人生はバデーニとヨレンタと出会ったことで大きく転回しました。
オクジーは満ちた金星を見たことで自らの存在意義を知り、文字すら習うことができなかった境遇から解放され自由になったといえるでしょう。
しかしノヴァクの悪夢のような拷問は終わりが見えず、オクジーの未来に暗い影を落としています。
一体オクジーとバデーニはどうなってしまうのか…。
バデーニの真意も分からない部分が多く、今後の展開から目を離せないですね!
今回はオクジーが見た不思議な夢のことや、ノヴァクがオクジーに個人的な話をしだした理由について解説していこうと思います!
気になった方は最後まで読んでみてくださいね😍
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の13話のネタバレを含みます。
13話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
何故オクジーはノヴァクと戦った時のことを思い出した?
ノヴァク「君、死ぬ覚悟ないでしょ」
オクジー「今からそれを確かめます」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第13話「『自由』を」
バデーニが逃げる時間を稼ぐために戦い始めたオクジーでしたが、ノヴァクに剣を折られて絶体絶命のピンチに😱
その時脳裏に浮かんだのは、初めてノヴァクと交戦した時の記憶でした。
忘れている方のために軽くおさらいします。
オクジーがノヴァクと戦うのは初めてではありません。
ある日オクジーは相棒のグラスと共に異端者の移送警備を請け負います。
異端者「一生快適な自己否定にとどまるか、全てを捨てて自己肯定に賭けてでるか、どちらを選ぶも自由だ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」
異端者の言葉に心を動かされたグラスは、任務を放棄して異端者の逃亡に手を貸します。
オクジーはグラスに巻き込まれる形で、一緒に警備していたノヴァクに裏切者と判断されてしまいます。
その時オクジーはノヴァクに跪いて許しを請うものの、ノヴァクは許さずオクジーを殺そうとしました。
今回オクジーが思い出していたのはノヴァクに殺されかけた時のことです。
オクジーは怖気づいて後ろに下がったものの、ノヴァクの剣はオクジーを貫こうとしていました。
しかし異端者が身を挺してオクジーをかばったので、オクジーは命からがらノヴァクから逃げることができたのです。
逆に言えば、異端者がオクジーの盾にならなければオクジーは死んでいたということになります。
つまりオクジーはあの瞬間、「下がれば死ぬ」と本能的に察し、あえて前に出たということになります。
オクジー君、目がいいだけじゃなくて、土壇場の判断力も素晴らしかったんですね😍
オクジーの夢に登場した司祭は誰?
司祭「地球は位が低く穢れていて、そこに住む人類は無力で罪深いと思い知らせるためだよ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第4話「この地球は、天国なんかよりも美しい」
瀕死の重傷を負ったオクジーは不思議な夢を見ます。
夢の中に登場した司祭は、まさにオクジーが空を見るのが怖いと思うようになったきっかけの司祭です。
司祭の問いに対して、夢から目覚めたオクジーは「自由」とノヴァクに答えました。
ここで夢の中で司祭がオクジーに言った言葉に、オクジーが出した答えをあてはめてみましょう。
本当は君はもっと大きな理念で動いている、いや、動かされている。
いわば君は、その理念の召使いだ。
もっとも当の君自身は、その理念なんて念頭になく、自分とは無縁のものだと思っているようだがね。
まあしかし、人は元来自然に自由に憧れ、自由を欲するように設計されているのだよ。
そして私は自由を求めるところこそが、人間の数少ない尊さであると考えている。
司祭が塔を建てて地球を宇宙から観察しようとしていたのも、この司祭がオクジーに「地球は宇宙の底辺である」と話していたことが関係しているのだと思います。
本当に地球が宇宙の底辺なのか、司祭も確認したくなったということでしょうか🤣
塔が出てきた意味としては他にも、オクジーが天国(死)に近づいているということを暗に示しているのかもしれませんね。
何故ノヴァクはオクジーと二人きりで話したのか?
ノヴァク「ちょっと彼と二人にさせてもらえるか?」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第13話「『自由』を」
オクジーに本格的な拷問を始める前に、ノヴァクは人払いをしてオクジーと話をしました。
ノヴァクは異端が生まれる理由や動機についてずっと理解できなかったようです。
「ずっと」という表現を使いましたが、正しくは10年前であることが、後の会話から分かります。
ノヴァク「しかしそれは異様すぎた。だから私は目を背け忘れ変わろうとしなかった」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第13話「『自由』を」
ノヴァクはラファウについて話しています。
「異様」といったのは、将来を嘱望されていたはずのラファウが、石箱の情報を漏らさないために自死という選択をしたことです。
ノヴァク「そ、それに…その選択は教えに反してる!ど…どこまで教会をコケにするんだ!」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」3話「僕は、地動説を信じてます」
あのシーンでは、常に冷静に職務にあたるノヴァクが激しく動揺していましたね😅
思えばあのシーン以外でノヴァクが狼狽えたことはありません。
命を懸けても貫きたい信念がある人間の気持ちがノヴァクには分からなかったのでしょう。
だからラファウの研究を引き継いだオクジーに対し、10年前ラファウに聞けなかった問いの答えを聞きたくなったのだと思います。
期待通りの答えがなかったことで、いつもの気怠げなノヴァクに戻ってしまいましたが、再び彼が動揺する姿を見る日が来るんでしょうか…。
13話の感想
場面が暗転するたびに傷が増えていくオクジーが痛々しすぎます…😭
私だったら速攻で情報を喋ってしまいそうです…。
というかヨレンタが関係者だと教会にバラさない代わりに逃がしてもらえないか、ノヴァクに交渉します(策士)
不思議だったのが、何故バデーニは教会に睨まれたら逃げられないと分かっていながら、「10分程度」と時間を指定したのでしょうか?
10分あればバデーニは安全に逃げ切れると信じて、オクジーは体を張ったはずです。
単純にバデーニの見通しが甘かったのか、それともその10分で他のことをやったのか、非常に気になりますね~😲
ノヴァクの方が「異端」
イケボ(CV:津田健次郎)すぎる異端審問官・ノヴァクですが、使っている剣が気になりました。
ノヴァクの剣はファルカタといって、刺突と斬撃の両方に適した頑丈な剣です。
ファルカタは紀元前4世紀から紀元2世紀頃まで古代イベリアで活躍しましたが、鎧の進化や新たな武器の出現により、15世紀ヨーロッパではほぼ使用されなくなっていたはずです。
見た目はかっこいいんですけどね😍
宗教には比較的寛容なはずのポーランドでこれほど厳しい異端審問が行われていたり、異端審問官が下っ端扱いされていたり、使っている剣は古代の剣と、ノヴァクの方こそ何だか異質な存在だと感じてしまうのは私だけでしょうか🤣
さて、協力者のことを聞かれた時に「ヨレンタのことを話しちゃうのかな…?」と一瞬緊張がはしりましたが、結局バデーニはヨレンタのことを話しませんでしたね。
となると、石箱の方も谷底に捨てた話も嘘ということでしょうか?
ホッとしたのも束の間、悪夢のような状況は続くのは変わりないわけですが…😢
ヨレンタの方も酒場で別れて以来姿を見せないので、今どうしているのか気になってしまいます。
次回の更新は12月29日(日)の予定です。
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