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【チ。考察】絞首台の二人が最期に抱いたのは希望だった

チ。

オクジーの文章はどうやって復元されるのか?

アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第14話「今日のこの空は」の考察です。

14話にはかなりハードな拷問描写があり、前回のラストから「見るのが怖い…」と感じた方も多かったのではないでしょうか?

信念と天秤にかけているからこそ、それに見合う痛みの描写は必要だったとはいえ、血の苦手な人には辛かったかもしれませんね😅

しかし物語の本質は残酷な描写ではありません。

二人のやりとりからは、見えない絆を感じるシーンがいくつもありました。

オクジーやバデーニが私たちに何を遺してくれたのか、丁寧に読み取っていかなければならないと感じます。

この記事で分かること
  • バデーニは何故自分以外の他者に託したのか?
  • オクジーの本はどうやって復元されるのか?
    • オクジーの本は燃やされている
  • バデーニは何故自白したのか?

さて今回はバデーニが自分以外の他者に地動説を託した理由や、オクジーの本をどうやって復元するのかについてお話していこうと思います!

前回の考察はこちら👇

このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の14話のネタバレを含みます。

14話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。

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バデーニは何故自分以外の他者に託したのか?

バデーニ「後進は作らない。死ぬまでに私が証明できなかったら、私の関わった書物全てを燃やす」

「あくまで重要なのは私がこれを完成・発表することだ。他の誰かの踏み台にされるのはごめんだからな」

「チ。 ―地球の運動について―」第7話「真理のためなら」

バデーニはあくまで自分一人で地動説を完成・発表することにこだわっていました。

そんなバデーニが「誰かに託す」と大きく方向転換したのは何故でしょうか?

それは完璧な天動説を目指していたピャスト伯の涙がきっかけでした。

ピャスト「もし過去の積み重ねの先に答えがないなら、真理にとって我々は無駄だったかもしれん。しかし例え誤りでも、何かを書き留めたことは歴史にとって無意味ではない

「チ。 ―地球の運動について―」第9話「きっとそれが、何かを知るということだ」

例え天動説が間違いであったとしても、ピャスト伯たちの膨大な観測記録は歴史にとって無駄ではありません。

利益が生じたら1割をポトツキに渡してほしいという内容の手紙を、バデーニはあっさり燃やしてしまう。

オクジー「今ここにいない人の想いを無視したら、何かが決定的に失われる気がして」

バデーニ「何かってなんだ?」

オクジー「歴史というか…」

バデーニ「はあ?聖書以外の歴史など私は気にしない」

「チ。 ―地球の運動について―」第7話「真理のためなら」

かつてのバデーニは聖書以外の歴史に興味がありませんでしたが、ピャスト伯との一件で先人たちが積み上げてきた歴史を認識します。

そして歴史を重要視するということは、先人たちの想いを大切にすることにも繋がります。

天動説が間違いである可能性を信じて、資料室の鍵を渡してくれたピャスト伯の想いを無意味なことにはしたくなかったはずです。

そもそも天動説・地動説という前提が違うだけで、ピャスト伯と自分達に大した差はないとするならば、地動説すらも正しい宇宙の形の「途中」にすぎないのかもしれません。

宇宙は広大すぎる!!

「なら一体何を捧げれば、この世の全てを知れる?」

というのは1話冒頭にあった問いですが、その答えは「歴史」のような気がしています。

少なくともバデーニ一人では辿りつけないものであることは明白です。

バデーニ「この世に何かを残して、全く知らない他者に投げるのは、私にとって何ら無意味で、無価値だ。…しかし不思議なもので、それを無益だと判断しない領域もあるそうだ。例えば…”歴史”とやらがそうらしい

「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」

だからバデーニ達に鍵を託したピャスト伯と同じく、バデーニも感動だけを遺し、未来の誰かに地動説を託そうとしたのではないでしょうか?

「歴史にとっては無意味ではない」と涙ながらにピャスト伯が語った言葉をなぞらえたのも、きっとそういうことなんだと思います。

ゆんこ
ゆんこ

バデーニもこの数か月で大きく成長したんですね…!

以前と考え方がここまで変わるなんて…地動説が与えた感動はそれほどすごかったということでしょう😊

オクジーの文章はどうやって復元されるのか?

バデーニ「復元されるのは…君の文章だ」

オクジー「は?お…俺の?」

「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」

地動説を終わらせないためにバデーニが仕掛けた予防策とは、何とオクジーの文章を復元することでした!!

「自分の成果は残すつもりはない」と言いつつも、きっと自分の論文よりもオクジーの日記の方が研究者以外の人間にも感動を届けることができると感じたからですよね。

ただオクジーの本についてちょっと気になることが…。

オクジー「え、ええ!?ちょっと!何してるんですか!」

バデーニ「君こそ何してるんだ?こんなもの残したら危険だ。最初に燃やすと言ったろ」

「チ。 ―地球の運動について―」第13話「『自由』を」
ゆんこ
ゆんこ

オクジーの本はバデーニが燃やしてたような…??

オクジーの本は書き上げた直後にバデーニに燃やされていたはず…。

原本がないものを一体どうやって復元するつもりなのでしょうか?

その謎に迫るべく、オクジーの本についてもう一度おさらいしてみましょう!

オクジーの本に関するまとめ

オクジーが執筆開始してノヴァクに瀕死の重傷を負わされるまでをまとめたものです。

満ちた金星を見た一件から、オクジーはヨレンタに文字を習って本を書き始めます。

その後、バデーニは惑星の周回軌道が楕円であることを閃き、何とはなしにオクジーの本を手に取って読んでいます。

バデーニはオクジーの本を読んで感動したのではないでしょうか。

それからしばらく経って、ついにバデーニは地動説を完成させます。

オクジー「本を書き終えたんであそこに保管しようかと」

「チ。 ―地球の運動について―」第13話「『自由』を」

オクジーの本が焼失したのは、13話の回想シーンです。

オクジーは自分の本を書き上げた後ラファウが遺したあの石箱に保管しようとしていました。

しかし直後にバデーニが本を燃やしていましたね。

ここだけ時系列が分からないのですが、恐らくはバデーニがオクジーの本を読んだ後だったのではないかと思われます。

文字覚えたてのオクジーが本を書くのはそれなりに時間がかかるでしょうし、バデーニが本の中身を見ていないと復元もできませんしね😅

オクジーの本の行方

ここで燃やされたはずのオクジーの本がどうなったのか二つの可能性について述べてみます。

一つ目はそもそも本が燃やされていなかった可能性です。

オクジーが話している合間にこっそり別の本にすり替えて燃やした…なくはないです。

ただオクジーが訪ねてきて「本が完成した」と言ってきたのは、バデーニにとっては予想外の事態だったはずで、すり替える本が手元にあったのか?など、疑問は残ります。

二つ目はバデーニが複写していた可能性です。

そもそもバデーニがオクジーの本を初めて読んだのは納屋でした。

オクジーは納屋と教会を繋ぐ穴を掘るかたわら、本を執筆していたようです。

本を手元におかず納屋に置いておいたとしたら、バデーニが逐一本の中身を確認することが可能でした。

全て複写し終わっていたからこそ、バデーニはためらいなく本を燃やせたのではないでしょうか?

ゆんこ
ゆんこ

バデーニは誤字もちゃっかり直してくれてそう😏

そもそも本は残っていない

しかしバデーニが複写していたとしたら、「復元する」という表現はおかしいです。

複写していたのなら、複写した本そのものを誰かに渡せばいいわけで、復元する必要はないはずです。

そもそも本を残すのは足がつくという理由から危険でした。

つまり本そのものは残っておらず、「暗号化されたデータ」と元文章に戻すための「暗号鍵」だけを残したとも考えられます。

ゆんこ
ゆんこ

バデーニ一生懸命本を読んでいたし、本の内容をほとんど覚えちゃってたんでしょうかw

バデーニは何故自白したのか?

オクジー「何故正直に白状したんです?どうせすぐ俺らは死ぬ。俺の目なんてどうなったって…」

バデーニ「分かってないな」

オクジー「ん?」

バデーニ「あれが…どれだけつらいか」

「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」

オクジーの言う通り、自白しても彼らの運命は変わることはありません。

聖職者を手にかけたオクジーはもちろん、共犯だったバデーニも改悛を許されることなく死刑でした。

それでもバデーニはオクジーの目をどうしても守りたかった。

バデーニ自身片目を失っており、目が見えないことの辛さを分かっていたからです。

オクジーの目は満ちた金星を見た、いわば大地を動かした特別な目です。

そんなオクジーが空を見ることなく人生を終えることが、バデーニにとっては資料を失うことよりも耐え難いことだったのではないでしょうか?

オクジー「今日のこの空は絶対に…綺麗だ」

バデーニ「フッ、ならそれを信じるとするか」

「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」

そうなると、絞首台でバデーニが言った「信じる」は、「天界の入口に立ったこと」「空が綺麗」の二つにかかっていると感じてきます。

例え自分に今日の美しい星空は見えなくても、オクジーがいうなら「信じる」と言ったバデーニ。

最期にオクジーが空を観ることができて、彼の目を守って良かったとバデーニも心から感じたのではないでしょうか?

ラストシーンでは、こうした細やかな言葉遣いの中に二人の固い絆が感じることができて良かったです!😭

14話の感想

二人が死んだ直後、二つの流星が見えました。

ゆんこ
ゆんこ

きっと二人で天国に行ったんだよね…?😭

二人が最期に抱いていたのは絶望じゃなくて希望だった…そんな風に思える美しい幕引きでした。

余談ですが、流星といえば人の死と結びつけられることが多いです。

誰しもが自分の星を持っていて、死ぬとその星が流れるわけですね。

フベルトが連行される時にもラファウの頭上に流星を確認できます。

ただし、ラファウが死んだ時に流星は見えませんでした。

ラファウって実は生きてるのかしら…?と思った瞬間でした。

ゆんこ
ゆんこ

ピャスト伯の時にも見えなかったので偶然という可能性もあります🤣

それでは以下気になったことをピックアップしています!

ネックレスはどこに?

フベルトのネックレスはどこへいったのでしょうか?

捕まったオクジーは持っていなかったんですよね…。

教会側に押収され、石箱と共にこの世から消し去られるのでしょうか😱

散々持ち主を死に追いやってきた呪いのアイテムと言えるべきものですが、いざなくなってしまうかと思うとちょっと複雑な気分です😅

アントニは全宇宙を敵に回した

アントニ「これでヤツを潰せる。娘を異端にすればノヴァクは終わりだ」

「チ。 ―地球の運動について―」第14話「今日のこの空は」

アントニは自分の存在感を示すために何がなんでもヨレンタを異端にしてしまいたいようですね。

ゆんこ
ゆんこ

アントニ!!

ヨレンタさんに拷問するなんて…

絶対に許さんぞー!!😡

ノヴァクがこの場にいたらアントニは細切れにされちゃいそうですね…。

ただしアントニの思惑通り、宇宙論を目の敵にする司教やノヴァクが失脚してくれれば、地動説に関わる人が死なずに済むのかな?と思うと、アントニを応援したい気も…。

いや、それでもヨレンタに手を出したのは許せないです!

特にヨレンタの手袋が剥ぎ取られた時は、彼女の学者としての尊厳を踏みにじられた気がして、ノヴァクじゃなくてもブチ切れそうでした。

そんなヨレンタは新人異端審問官シモンによって逃がされました。

彼女が歴史に選ばれたということなのでしょうか…?

ヨレンタには何としても生き残って、復元されたオクジーの文章を読んで欲しいです。

彼女ならきっとオクジーの想いを汲んで涙を流してくれる、そんな気がしています。

そして2024年の更新はこれで最後となります。

ブログを始めて3年以上経ちますが、多くの方にご訪問いただき本当に嬉しいです😊

熱いコメントも一つ一つ読ませていただいています。

皆さんの疑問を簡潔に解説することはもちろん、自分が楽しみつつ記事を書きたいと常々思っているので、今年もそれが無事達成できたかなと思うと感無量です。

それも同じアニメを楽しみ私の記事を読んでくださる皆さんのおかげです!

さて最後は年末にふさわしく、大掃除をまだ終わらせていない方のためにフベルトさんからの激励で〆たいと思います。

もし既に大掃除が終わっている方は、「たった今やったよ」とフベルト風イケボで言いましょうw

こんなおふざけブログですが、来年以降も精進してまいりますので、当ブログをどうぞよろしくお願いします😉

次回の更新は1月5日(日)の予定です。

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