アルベルト・ブルゼフスキが何者なのか解説!
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」の第23話「同じ時代を作った仲間」の考察です。
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ヨレンタのために祈るシーンに23話の全てが集約されていたように思います。
ノヴァク「我が子への愛が私の生きる理由です」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第2話「今から、地球を動かす」
思えばノヴァクが異端審問官をやっていたのは、元々ヨレンタが生きる世界の平穏を守るためでしたよね。
死の間際になってようやく、ノヴァクは自分の生きる意味を思い出したのかもしれません。
- ノヴァクは最期に何を思うのか?
- ノヴァクは何故アントニを刺した?
- 何故ラファウが現れたのか?
- 「やり残したこと」とは何だったのか?
- ノヴァクの祈りは天に届いたのか?
- ドゥラカは笑っていた?
- アルベルトは何者なのか?
今回はノヴァクの心の動きを解説しながら、炎上する教会で起こった不思議な出来事についてお話ししていこうと思います。
おまけでは、最後に登場したパン屋の少年・アルベルトが何者なのかを語っていますよ!
気になった方は最後まで読んでみてくださいね😉
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「チ。 ―地球の運動について―」の23話のネタバレを含みます。
23話をご視聴の後で読んでいただると、より楽しめます。
ノヴァクは最期に何を思ったのか?
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ノヴァク「私はこの物語の悪役だったんだ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第23話「同じ時代を作った仲間」
炎上する教会で死を迎える時、ノヴァクは何を思ったのでしょうか?
ここでは、アントニを刺すところから始まって、最期にヨレンタのために祈るところまで、ノヴァクが何を考えていたのかを解説します。
またこのシーンではラファウの登場といった不思議な現象が起こっています。
ノヴァクの心の動きを丁寧に紐解いていくと、「ノヴァクがアントニを刺した理由」「ラファウが現れた理由」「ノヴァクがやり残したこと」といった、さまざまな疑問が解消するはずです😊
それではさっそく見ていきましょう!
ノヴァクは何故アントニを刺した?
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ノヴァク「こんな最悪の想定が的中するなんて」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第23話「同じ時代を作った仲間」
ノヴァクにとって最悪の想定は、娘の敵である地動説が異端ではないという判断が下されることです。
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ノヴァク「まあまあ、信徒がそんなカネカネ言っても」
アントニ「チッ、これだから無知は。いいか?異教徒との戦争にも教会を維持するにも金が必要なんだよ。金の重みをもう少し理解しろ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」第11話「血」
ノヴァクはアントニと古い知り合いということもあり、アントニがお金に執着する性格だと知っていました。
地動説が金になると目が眩んだアントニに対し、いくら説得しても無駄だということも分かっていたはずです。
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そこでノヴァクが考えた奥の手は、教会にいる人間を全て亡き者にしてしまうことでした。
アントニを刺したのも、「地動説主義者が司教を刺した」と市民に勘違いさせることで、「地動説は危険思想」という印象を植え付けるためです。
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でももし、今夜私達全員がここで死んだらどうです?
そして「私達全員」という表現から、最悪の事態が起こった時点で自分も死ぬつもりだったと思われます。
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「私達には何の決定権もない」
「上に従うのが役目」
と言っていた、かつてのノヴァクからは考えられない暴挙です。
地動説を打ち殺すためなら、自分の命すら惜しくないという執念を感じますね😓
何故ラファウの幻が現れたのか?
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ノヴァク「神様。これはあなたがお見せくださっているお告げか何かですか?」
ラファウ?「いや。多分死にかけで朦朧としてて勝手に見えてるだけの幻ですよ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
ドゥラカに反撃を受けて重傷を負い、あとは炎上する教会で死を待つのみだったノヴァクの前に現れたのは、何とラファウでした!
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OPのラファウはこのシーンのことを指してたんですね🤩
地動説が異端思想でないのなら、自分の人生は一体何だったのか?
ノヴァクは「自分はこの物語の悪役だったんだ」と述懐します。
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ラファウ「今、たまたまここに生きた全員は、例え殺し合うほど憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
しかし敵対関係にあったはずのラファウに「仲間」と言われたことで、ノヴァクを支配していた地動説への憎しみは消えていきます。
そして次にノヴァクの心に湧き上がってきたのは、かつてラファウに感じたことを気づかない振りをして生きてきた「後悔」でした。
ノヴァク「痛みだ。あの時君の選択を見て気の毒に思った。死を選ぶな。自分の信念や他人の信仰のために命を落とすには若すぎる」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
年端のいかない子供だったラファウが自ら死を選んだことは、ノヴァクにとってショッキングな出来事だったのでしょう。
そんなノヴァクの後悔がラファウの姿となって現れたのかもしれません。
ノヴァクが「やり残したこと」とは何だったのか?
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ノヴァク「私の娘は、天国に行けたのか?」
ラファウ「さあ?随分前に言ったでしょ。死後のことは誰も知らない。でもそうなってほしいなら、あなたがまだ生きてるうちにすべきことをしてください。やり残したことを」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
ノヴァクは組織長がヨレンタであると心のどこかで気づいていました。
だからこそ、敵であるはずの組織長の手を今まで大切に保管してきた。
しかしラファウに感じた痛みと同じく、ヨレンタだと気づかないフリをしてきたわけです。
自分の後悔の象徴であるラファウに「やり残したこと」を促され、ノヴァクは手袋を手にはめてヨレンタの死と向き合い涙します。
ノヴァクがやり残したこととは、ヨレンタが天国に行けるように神に祈ることです。
地動説が異端でないのなら、ヨレンタは地獄に落ちることはありません。
しかし異端解放戦線の組織長だったヨレンタは「20歳で初めて人を殺した」と言っており、25年の間にその手を血で染めることもあったはず。
ヨレンタが殺した者の中には異端審問官や聖職者もいたのかもしれません。
そのことを察したノヴァクは、ヨレンタが犯した罪を全て自分が引き受けて娘が天国へ行けるように祈ります。
そこには憎しみも後悔もなく、ただ神への信仰と娘への愛に溢れていたのではないでしょうか?
ノヴァクの祈りは天に届いたのか?
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ノヴァク「神様…神様…。娘の過ちは全て私の勘違いが原因なのです。全て私の過ちなのです。地動説があなたに反するものでないなら、どうか…どうか…どうか娘は天国へ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
ノヴァクは自分の過ちを懺悔し、ヨレンタのため必死に神に祈ります。
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ノヴァクの願いを聞き届けたかのように、十字架のような光がノヴァクを照らしています。
きっとヨレンタは天国へ行ったのでしょう。
そして今まで多くの地動説主義者を処刑してきたノヴァクもまた罪を赦され、ヨレンタとともに天国へ行ったのではないかと思います。
何故なら聖書にそう書いてあるからです。
もし、わたしたちが自分の罪を告白するならば、神は真実で正しいかたであるから、その罪をゆるし、すべての不義からわたしたちをきよめて下さる。
『新約聖書』ヨハネの第一の手紙1章9節
ノヴァクがヨレンタの罪を自らの過ちとして懺悔した行為は、この「告白」に該当します。
神は罪を告白したものを赦してくれると言っています。
またあなたがたも、キリストにあって、真理のことば、すなわちあなたがたの救いの福音を聞き、またそれを信じたことによって、約束の聖霊をもって証印を押されました。聖霊は私たちが御国を受け継ぐことの保証であられます。これは神の民の贖いのためであり、神の栄光がほめたたえられるためです。
『新約聖書』エペソ人への手紙1章13-14節
そしてノヴァクを照らした十字架の光は、この「聖霊の証印」を象徴的に表現していると考えられます。
聖霊とは神の三位一体の一つで、キリストを信じる者の内に宿り、神の力を与えたり導いたりするものです。
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「御国を受け継ぐことの保証」というのは、聖霊が与えられることで、神の国つまりは天国へ行けるということを意味します。
そして聖霊は象徴として「炎」や「鳩」などの姿で描かれることも。
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炎の中ノヴァクが十字架で照らされながら死んでいったのは、ノヴァクが聖霊を与えられヨレンタとともに天国へ行ったということではないでしょうか?
となると、ノヴァクを祈りへと導いたラファウもまた聖霊の導きによるものと言えるのかもしれませんね。
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聖霊に人格はないそうなので、ラファウ自身が言っていたように単なる幻だったのかもしれません。
ただ十字架の光が差す荘厳なラストシーンに神の導きを感じずにはいられませんでした😭
ノヴァク…どうか安らかに眠ってください…。
あとからあとから涙が溢れて止まりません。
— 仁見紗綾(ひとみ さや) (@1103_saya_) March 1, 2025
悪役ではなく仲間であり、手袋をつけ、手を繋いで最期を迎えた彼に、どうか穏やかな時間が訪れますように。
両手を広げて朝日を浴びた彼女が感じたものが、今までと全く違うあたたかいものでありますように。#チ球の運動について
ヨレンタ役をつとめた仁見紗綾さんのコメントがまた泣けるんですよね…😭
23話の感想
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ラファウ「過去や未来。長い時間を隔てた後の”彼ら”から見れば、今いる僕らは所詮、皆おしなべて”15世紀の人”だ」
「彼ら」と言われて、まるでラファウが私たちに語りかけているような気がしたのは私だけでしょうか?
この物語を通して、多くの人々が今までの価値観を覆されているのを見てきました。
ネックレスが繋いだバトンに登場したのはノヴァクを含め7人でしたが、ヨレンタやドゥラカはもちろんのこと、ポトツキ・クラボフスキ・ピャスト伯・貧民・シモン・レフや、シュミット・レヴァンドロフスキといったの異端解放戦線の闘士たちなど、誰一人欠けてもこの物語は成立していなかったと思います。
次回以降の舞台は1468年のポーランドと明言されていますが、残り2話でどんなクライマックスを迎えるのか楽しみですね!
今回はノヴァクの最期に焦点をあてて記事を書いてみましたが、いかがだったでしょうか?
ノヴァクの心の動きや十字架に感じた内容は私の感想なので、皆さんがノヴァクの最期をどう感じたかもコメントで聞かせてくれると嬉しいです🎵
以下はおまけになります!
ドゥラカは笑っていた?
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アントニと同じく、ノヴァクの凶刃に倒れたドゥラカですが、その最期は満足気でした。
シュミット「また数時間後にはいつものように朝が来る。いつか君にも朝日に微笑む日がくることを願っているよ」
アニメ「チ。 ―地球の運動について―」23話「同じ時代を作った仲間」
父の死を思い出す大嫌いな朝日を見てなお美しいと、「このために生まれてきた」と思えたことで、ドゥラカは笑顔で死ぬことができたのではないでしょうか?
ドゥラカはヨレンタの思いを受け継ぎました。
そしてシュミットやレヴァンドロフスキといった異端解放戦線の闘士たちは、ドゥラカを守るために「仕事」をした。
しかしドゥラカは地動説の本を出版できず、登場人物はまさかの全員死亡。
今まで紡がれてきた地動説の感動はここで途絶えてしまったかのように思います。
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それでもドゥラカは最期の力を振り絞り、手紙を鳩に託しました。
「利益が生じた場合、ポトツキに1割渡すこと」
この手紙が学問的好奇心を失ったアルベルトを再び学問の道へと引き戻すきっかけになるのではないかと思っています!
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とはいえ、「この手紙の内容でどうやって…?」という気持ちもありますw
今後の展開も見逃せないですね😚
アルベルトは何者なのか?
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ラストに登場したアルベルト・ブルゼフスキは、地動説を唱えたコペルニクスの恩師にあたります!
お節介な親方とネガティブ思考のアルベルトを見ていると、何だかグラスとオクジーのコンビを思い出してちょっと懐かしい気持ちになりました😚
史実では1468年にアルベルトは23歳でクラクフ大学へと入学するのですが…今のところ勉強する気ゼロですねw
アルベルトについては、来週以降にまたお話しできればと思います。
残り2話というのは寂しいですが、地動説が繋いだ感動の結末を共に見守りましょう!😚
次回の更新は3月9日(日)の予定です。
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