平家への不満が徐々に積もる。密議には後白河法皇の姿も。
アニメ「平家物語」の3話「鹿ケ谷の陰謀」の考察ページです。
3話では白山事件から始まって安元の強訴、そして鹿ケ谷の陰謀が描かれました。
これらの事件には多くの人物が関わっていて、どんな人物がどう関わったのか初見では分かりづらいと感じたので、概要とともに一連の事件を図説化してみました。
実際はより多くの人物が関わっているのですが、できる限りシンプルにしています。
事件の整理に役立ててもらえれば幸いです。
前回の話の考察はこちら。
白山事件~安元の強訴~安元の大火
さて、神輿を先立て参らせ、東の陣頭、待賢門より入れ奉るとしければ、狼藉たちまちに出で来て武士ども散々に射奉る。神輿にも矢どもあまた射立てたり。
『平家物語 巻第一』御輿振
神人、宮仕射殺され、衆徒多く傷をこうぶる。
神輿を重盛の兵が射てしまい、衆徒にも多数の死者が出てしまいます。
この時代では、神輿に触れたり傷つけたりすると、神罰や仏罰を受けるとされてきました。
重盛「神輿を射た罰か・・・」
そういった背景があったため、後に京を大火が襲った時に重盛はそう呟いたのです。
鹿ケ谷の陰謀
今回粛清されてしまった者の中に藤原成親がいます。
成親は重盛の妻・経子の兄です。
実は成親は先の平治の乱で敵方についていましたが、重盛によって特別に助命されていました。
その後成親は異例の出世をするのですが、平家ばかりが取り立てられていることに不満を持ち、平家を滅ぼす準備をしていました(鹿ケ谷の陰謀)。
清盛に陰謀が発覚して捕縛された後、再び重盛は成親の助命を嘆願するも、成親は備前国に流され食事を与えられず死亡することになります。
烽火之沙汰
黒幕である後白河法皇の御所を攻めようと、清盛は軍を集めていました。
そこへやってきた重盛が後白河法皇のところへ行くのをやめるよう清盛に言います。
忠ならんと欲すれば孝ならず。孝ならんと欲すれば忠ならず。
わたくしの進退はここに窮まりました。
父上、ここを動かれるならば、私の首をはねてからにしてください。
重盛、かっこ良すぎる~~!🤣
重盛役の櫻井孝宏さんがいい仕事をしています!!
このシーンは『平家物語 巻第二』の烽火之沙汰の段にあるのですが、原文もすごくいいんですよ!
以下原文です。
かなしきかな、君の御ために奉公の忠をいたさんとすれば、迷廬八万の頂よりもなほ高き父の恩、たちまちに忘れんとす。いたましきかな、不孝の罪を逃れんとすれば、君の御ためにはすでに不忠の逆臣ともなりぬべし。進退これきはまれり。是非いかにも弁へがたし。
申し請くる所の詮は、ただ重盛が首を召され候へ。
『平家物語 巻第二』烽火之沙汰
父清盛と後白河法皇と、二つの大切なものの板挟みになり、重盛が苦しむ様子が原文からも伝わってきます。
3話の感想
前半の重盛の息子たち(維盛・資盛・清経)との厳島神社での穏やかな交流から一転、清盛と後白河法皇の対立が表面化していく展開に引き込まれました!
こうなってくると、来週私の感情が決壊しないか心配です😅
考察では省略してしまいましたが、資盛が伊子(建礼門院右京大夫)に思いをよせる様子や、高倉天皇が小督の局との逢瀬の様子も興味深かったです。
このシーンで流れていた後白河法皇の今様はまたしても恋の歌。
恋ひ恋ひて たまさかに逢ひて寝たる夜の夢はいかが見る さしさしきしと 抱くとこそ見れ
長い間恋しくて、久しぶりに逢って共寝した夜の夢はどんなものだろうか。手を差し交わして抱き合うといった夢を見るだろうよ。
どんだけ恋の歌好きなんだ!!😅
こちらの恋模様もどうなるか気になりますね~。
おまけ
Twitterの方で投稿していたおふざけウソ予告です。
「絶対に神輿だけは射てはならぬぞ」という巨大すぎるフラグに、ついついやってしまいました🤣
重盛殿、どうかご無礼をお許しください!!
次の話の考察はこちら。
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