AIが学習する時、ヒトもまた成長する
アニメ「AIの遺電子」の第6話「ロボット」の考察です。
鍛冶屋に弟子入りした覚える君とケアロボットのパーマ君のお話でした!
「うちの道具と材料でもっといいものが作れる。俺も親父と変わらんね。まだまだ未熟者だわ」
AIに自分の技術をあっという間に習得されると、気落ちしてしまう技術者もいると思うのですが、桐山さんの場合は全然大丈夫でしたね😊
AIが学習する時ヒトの心もまた成長する、人とAIの理想の関係性が見えたような回でした。
- 黄紙3号って何?
- 鍛接とは何?
- 桐山は何故熱意を取り戻したのか?
- 実はすごかった?ササやんたちの功績
前回の考察はこちら👇
このページはアニメ「AIの遺電子」の6話のネタバレを含みます。
6話をご視聴の後で読んでいただけると、より楽しめます。
黄紙3号って何?
桐山「こっちの鋼は特注でね。日用品はこっちの黄紙3号だ」
アニメ「AIの遺電子」6話「ロボット」
黄紙は和包丁等に使われている鋼材の一種です。
他には白紙・青紙があります。
何で名前が(色+紙)なのかというと、包丁製造現場で鋼材を区別する時に、色のついた紙を貼って目印にしていたからだそうです。

確かに目印がないと見分けがつかなさそう…😅

ざっくり位置づけ表を作りました。
黄紙→白紙→青紙で右に行くほど高価になります。

黄紙・白紙→家庭用包丁
青紙→ロが使う包丁
と考えると分かりやすいです😊

1号は鋭い切れ味が出せる一方で、欠けやすいです。
3号は切れ味は劣るものの、しなやかで欠けたりしないので長持ちします。
鍛鉄とは何?

鍛鉄とは熱した鉄をハンマーで叩いて成型していく金属加工の技術のことです。
溶かした金属を鋳型に流し込んで加工する鋳鉄と違って、大量生産ができない分強度が高く熱を加えても変形しにくいという特徴を持っています。
何故桐山は熱意を取り戻したのか?

桐山「親父が引退して、俺も大分腕を磨いた。地域に伝わる鎌やら鉈やらも、親父よりいいもんを作ってる。まぁでも後生大事に受け継ぐようなもんじゃないわな。使う人間なんていないんだからよ」
アニメ「AIの遺電子」6話「ロボット」
桐山のルーティン化した日常は、職人としてのストイックさの表れでもあり、技術が頭打ちになっていることを示唆していました。
「誰も使わないものを作ることに意味はない」と常日頃感じていたのではないでしょうか?
有田「我々はこのロボットを介して、職人の技や経験そのものを記録したいのです」
アニメ「AIの遺電子」6話「ロボット」
しかし覚える君が自分の技を継承したことで、「さらに上を目指せる」と自分が技術を磨くことに意味を見出したのだと思います。
ただこれは桐山だからこそ起こった良い変化で、AIの急速な学習速度にショックを受けて職人を止めてしまう人もいると思います。

世界トップ棋士が囲碁AIとの対局を契機に引退するなど、いい影響ばかりではないのが現実ですよね😓
実はすごかったササやんたちの功績

パーマ君「私が経験した全ての半年の中で、一番、素敵な時間でした」
アニメ「AIの遺電子」6話「ロボット」
パーマ君は色んな学校の色んな学年に存在し、その経験はネットを介して統合されています。
パーマ君「カッター怖いです…切られると傷つきます」
カッターを怖がるようになったのも、他の学校で切られた経験からでしょう。
「私が経験した全ての半年の中で」というのは、たくさんのパーマ君が経験した半年の中で、という意味です。
今回の事例の場合、クラスの環境が劣悪だと、パーマ君が人に危害を加えるといった危うさがありました。
落ち込んでいたパーマ君を励まそうとしたササやんたちの行動が、パーマ君の成長にいかに大きな影響を与えたのか分かりますね。
ケアロボットとしてのパーマ君の今後の活躍にも期待したいです😊
6話の感想

3話では恋人ロボットのジョーが登場しました。
仕様の機能を使って人の役に立つ「商品」だったジョーに対し、今回登場したロボットたちはヒトに混ざって生活することで、ロボットとヒト双方にいい影響を与えていたと思います。
非常に幸運だったケースではありますが、ヒトとAIの未来の関係がこうだったらいいなと思えるいいお話でした🤗

7話のサブタイトルが「人間」と、今回のサブタイトルと対になっているのが気になりますね。
光「もう一本俺の血液あるからさ。明日別のテストしてみよう」
アニメ「AIの遺電子」4話「4つのケース」
そして光の血液が一体どうなったのか、そろそろ知りたいです…w
次回の考察はこちら👇
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