【考察】ルパン三世PART6 #7「語られざる事件」

ルパン三世PART6

ロンドンに舞い戻ったルパン!10年前の事件の全貌が明らかに。

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あらすじ

#6「帝都は泥棒の夢を見る 後篇」の考察を読む。

復活したホームズは未解決事件を片っ端から解決し、犯人を警察に引き渡していた。
これによりロンドンの裏社会は震撼。

そんな中、傭兵上がりのセバスチャン・モラン大佐がホームズの命を狙っていると知り、ルパンは再びロンドンへ舞い戻る。

ホームズの自宅前で張り込みをしていたルパンはモランに遭遇。
同じくルパンを待ち構えていた銭形と共にモランを追い詰める。

モラン「まもなくここ英国の犯罪地図は書き換えられる。教授によってな!」

レイブンを前世紀の遺物と嘲笑するモランは、ルパン達の隙をついて逃げ出してしまう。

何と銭形の正体は変装したホームズだった。
モランを追う中でルパンはホームズの変装に気づいたようだ。

ルパンから10年前の事件の顛末を聞き、ホームズはルパンと同じく、リリーを守るだけでなくあの夜の出来事を乗り越える時期だと判断し、ルパンと和解する。

ホームズ「そろそろ失礼するよ。久しぶりにリリーと一緒に朝食を食べようと思っていてね」

ホームズは帰宅し、リリーと朝食を共にする。
捜査でホームズと会えなかった寂しげな顔から一転、リリーは久しぶりの笑顔を見せるのだった。

10年前の事件の顛末

10年前ルパンはレイブンについて調べていたが、その正体は杳として知れなかった。

そんな中ホームズによって状況が大きく変わる。
10年前に何が起こったか丁寧に紐解いて行こう。

ホームズがとある脅迫事件を解決

余談ではあるが、これはコナン・ドイルの短編小説「孤独な自転車乗り」に出てくる語られざる事件の一つだ。

「孤独な自転車乗り」は「シャーロック・ホームズの帰還」に収録されている。

犯人の1人ホレイショが取引を持ちかけた

自分はレイブンという組織のメンバーで、犯罪歴を帳消しにしてくれれば、レイブンについて知ってることを喋るってな。

ルパン三世 PART6 #7「語られざる事件」ルパン三世の台詞より引用。

スコットランド・ヤードはホレイショの取引に応じる。

スコットランド・ヤードはホレイショをホテルにかくまう

当然ホレイショは裏切りの代償としてレイブンに命を狙われるため、スコットランド・ヤードはホレイショをフランスに移送することを決める。

それまで警備を固めたホテルでホレイショをかくまうことになった。

ホレイショがホテルから逃亡

ある日ホームズは政府関係者に呼ばれ、ホレイショ移送作戦について説明していた。

その夜ホレイショはホテルから逃亡してしまう。

ルパンはホレイショを追いかけ、地下通路へと向かう。

ワトソンは殺し屋を見かける

同日、ワトソンは熱を出したリリーを車に乗せて病院に向かっていた。

その時地下通路に向かう殺し屋を見かける。

見知った人物だったため、ワトソンは殺し屋を追いかける。

殺し屋はホレイショを殺害

逃げたホレイショを殺し屋は地下通路で殺害。

そこに居合わせたワトソンと揉み合いになりワトソンも殺害。

ルパンは殺し屋に銃を向け対峙するが、殺し屋は発煙弾で姿をくらませてしまう。

リリーが事件を目撃する

倒れたワトソンとそばに立つルパンの姿を見て、悲鳴をあげリリーは倒れてしまう。

ホームズ「二度とリリーに近づくな」

そこへホームズが駆けつける。

状況を見て、ルパンがワトソン殺しの犯人ではないと瞬時にホームズは見抜く。

ここでルパンとやり合い相打ちになれば、リリーを守る者がいなくなる。

そう判断したホームズは、リリーに二度と近づかないことを条件にルパンを見逃す。

リリーはこの夜の記憶を失う

リリーはこの夜の記憶をすっかり失っていた。
しかしこのところリリーは頻繁に頭痛があるようで、記憶が戻りつつあるようだ。

リリーは車内から犯人の顔を見ている可能性があり、記憶が戻ればレイブンに一生狙われることになる。

それを恐れたホームズは第一線を退き、家族としてリリーを守る道を選んだのである。

ワトソンを殺したのは誰?

恐らくは見知った人物だったんだろう。

ルパン三世 PART6 #7「語られざる事件」ルパン三世の台詞より引用。

殺し屋とワトソンが知り合いだったという証拠は他にもある。

裏切者のホレイショが命乞いをしていたのにも関わらず、殺し屋はあっさり射殺した上、その後も何度か発砲しとどめを刺す。

リリー「パパ―パパーどこー?」
ワトソン「リリー来るな!来てはダメだ!」

この時ワトソンは銃を持った殺し屋に背を向けているにも関わらず、殺し屋はワトソンを殺さなかった。
しかもワトソンと揉み合いになりワトソンを射殺した後、殺し屋は明らかに動揺している。

そうなると、殺し屋はワトソン・リリー・ホームズにかなり近いところにいる人物ではないかと思われる。

疑惑の人物については、前回のLupinIII vs. Holmes 「探偵と悪党」の記事でも考察している

モリアーティ教授と三人の部下

教授と言うと真っ先に思い浮かべるのが、ホームズの宿敵・モリアーティ教授だろう。

モリアーティ教授には、ポーロック、セバスチャン・モラン大佐、フォン・ヘルダの三人の部下がいる。

モランは今回ホームズを殺しに来た男のことだ。

まずモリアーティ教授が暗躍していると思って間違いないだろう。

コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズの回想」の中で、ホームズはモリアーティ教授のことを「犯罪界のナポレオン」と評している。

その他の小ネタ

窓に人影。どうやってホームズはルパンと合流した?

ホームズの自宅前でルパンを待ち構えていた銭形、その正体はホームズだったわけだが、ホームズの部屋の窓にはカーテンが引かれているものの、向こう側にはぼんやりとホームズらしき人の影が見える。

どうやってホームズはルパンと合流したのだろうか?

そのヒントはコナン・ドイルによる短編小説『空き家の冒険』から知ることが出来る。

『空き家の冒険』はシャーロック・ホームズシリーズの一つ。
モリアーティ教授との激闘の後、
死んだと思われていたホームズが奇跡の生還を遂げた物語だ。

『空き家の冒険』の中で、ホームズはモリアーティ教授の部下の1人、モラン大佐に命を狙われる。
ホームズを射殺しようとしたモランは、ベーカー街221Bの窓に映るシルエットをホームズと思い狙撃したところ、その正体は蝋細工の半身像だったというエピソードがある。

どことなく今回のエピソードに似ているため、今回のホームズも同じく蝋細工のような身代わりを窓際に立て、まるで部屋にいるかのように見せかけたのだろう。

恐怖!ベーカー街221Bに潜む銃火器

ホームズ「ちょっと頼みたいことが・・」

ホームズがハドソン夫人に頼み事をしている。

これは恐らく「自分は今夜ここを離れるので、リリーのことを守って欲しい」といったものだろう。

それは眠るリリーの隣に寄り添うように、夜明けを迎えるハドソン夫人の描写から予想できる。

しかし微笑ましい光景とは裏腹に、ハドソン夫人の手にはスナイパーライフル、夫人の隣にはRPGなど、絶対に普通のご自宅にあってはならない銃火器の数々が陳列していたのだ。

この描写から、ハドソン夫人がただの優しく穏やかな女性ではなく、銃火器の扱いにも長けた女性ということが伺える。

語られざる事件

今回のサブタイトルにもなっている「語られざる事件」だが、シャーロック・ホームズシリーズの作中にも、事件名などの言及がありながら作品にはならなかった事件たちのことを、「語られざる事件」と呼んでいる。

後に多くの作家がコナン・ドイルの作風を模倣し、語られざる事件を取り上げた作品を発表している。

こうしたパロディのことをパスティーシュという。

10年前、ホームズは煙草会社社長・ジョン・ビンセント・ハードンへの脅迫事件を解決した。

ルパン三世 PART6 #7「語られざる事件」ルパン三世の台詞より引用。

ジョン・ビンセント・ハードンは、ジューン・トムスンのパスティーシュ「シャーロック・ホームズのジャーナル」に収録されている「脅迫された百万長者」に登場する人物だ。

ジューン以外にも多くの作家によってパスティーシュが創作されたことを考えると、いかにシャーロック・ホームズが愛されているかが分かる。

ルパン三世PART6もある意味、シャーロック・ホームズシリーズのパスティーシュと言えるのかもしれない。

#7「語られざる事件」の感想

ルパンが次元との電話の際「す~んごく頼りになるヤツと一緒なのよ~!」と言う場面がある。
これは既にルパンが銭形がホームズの変装に気づいていることを示しているのだが、この時の次元の返しも面白かった。

次元「チッ・・頼りになるヤツ?」

モランとレイブンが繋がっているか、背後関係を調べていた次元は、今回完全に損な役回りである。

自分を差し置いてルパンの隣にいる「頼りになるヤツ」に嫉妬するような台詞には笑ってしまった。

次元の調査のおかげで、レイブンと教授が繋がっている可能性は消えた。

今後は教授がレイブンに続く第三勢力として、ルパンやホームズの前に立ちはだかるだろう。

アルセーヌ・ルパンが「義侠心ある怪盗」として描かれるのに対し、モリアーティ教授は「完全なる悪」として描かれる。

三つ巴の対決の時が待ち遠しい。
リリーがどうあの夜を乗り越えて行くのかも楽しみだ。

そして今回裏方に回った次元だが、次回は主役になりそうである。

次元「リリーか・・懐かしいな。あれから3年か。あん時の小僧、どうしてるかな」

3年前と言うと、リリーがベーカー街221Bに住み始めた時期でもある。
リリーの過去に何が起こったのか、次元がどう事件に関わったのか、興味は尽きない。

次回の脚本は樋口明雄氏となっている。

樋口氏のデビュー作は「ルパン三世 戦場は、フリーウェイ」である。
何と出版は1987年。
ルパン三世とはなかなか長いつき合いであることが分かる。

こちらは現在手に入りづらいので、見かけたら即買うことをおすすめする。

樋口氏の最近の作品なら「天空の犬」もおすすめだ。

遭難者を助ける救助犬の活躍を描いている。

来週が待ちきれない人はこの本で予習するのもいいだろう。

#8「ラスト・ブレット」の考察を読む。

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